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乳児期の保育園のおやつは、ふかし芋やにんじんスティック・おせんべいなど、比較的ヘルシーなものが中心ですよね。でも、絵本やテレビ・上の子がいるお友達の家などで、子どももだんだんとケーキやチョコレートといった糖分の多いお菓子の存在に気づき始めます。「チョコレート食べたい!」と言われたら、いつから食べさせる?いきなり大人用の甘いものを食べさせていいの?気になるみんなのチョコレート事情を探ります。

目次

子どもにチョコレートを食べさせるメリットとデメリット


赤ちゃんは、口に入ったものが安全か危険かを味覚で判断しているといいます。酸味は「腐っている」、苦味は「毒である」可能性があるので、小さいうちは本能的に甘みのある母乳やミルクを好み、酸っぱいものや苦いものは嫌がるようになっているそうです。

 

そして、現代では、子どもが苦味をおいしいものの一種として認識できるようになる最初の食べ物が「チョコレート」とも言われています。チョコレートの原料である「カカオ」には本来甘みはありませんが、砂糖と組み合わせることで、子どもは初めて「苦いけどおいしい」という複雑な味覚を獲得するのですね。

 

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ですが、チョコレートに含まれる糖分の一例は、板チョコ1枚50グラム中約27グラムと、角砂糖9個分にもなります。あまり小さいうちに強烈な甘味を覚えてしまうと、そればかり欲しがったり、薄味のおやつのおいしさが感じられなくなったりする恐れがあります。人間の味覚は3歳までに食べたものを基準に完成すると言われているので、ママたちも「できるだけ遅くした方がよさそう…」と心配になるのでしょう。

 

また、1回に食べる量がまだ少ない幼児のおやつは、嗜好品・楽しみとしての側面よりも、食事の一部として栄養補給の目的が大きくなっています。

 

1歳児のおやつに必要なカロリーは約100キロカロリー。板チョコ1枚で280キロカロリー前後ありますので、食べるとすれば1枚の3分の1ほどですが、食事の1回としてはボリューム不足です。

 

そして、カロリーは満たされても、たんぱく質やビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素が含まれていないので、「3回の食事で足りない栄養素を補う」という目的には向いていないのですね。 

世間では、いつから甘いお菓子やチョコレートを食べさせてる?


そこで、今回は5歳以上のお子さんを持つ先輩ママ50人に、「初めてお子さんがチョコレートを食べたのは何歳の時ですか?」と独自にアンケートを取ってみました。

 

するとわかってきたのが、第一子と第二子以降では大きな違いがあるということ!

 

初めてチョコレートを食べた時期を半年ごとに区切ってたずねてみたところ、第一子または一人っ子のお子さんが初めてチョコレートを食べた時期でもっとも多かったのは「2歳半~3歳」で全体の40%近くを占めていました。

 

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次に多いのが「3歳~3歳半」で、全体の15%ほど。つづいて「2歳~2歳半」、「3歳半以降」「まだ食べさせていない」「4歳を過ぎて幼稚園に入園したのがきっかけ」などの回答も多く、1歳未満の赤ちゃん時期に食べさせたというママは2%と、ほとんどいませんでした。

 

最初に食べさせたチョコレートも、大人と同じような板チョコではなく、ビスケットにチョコが少しかかっているものや、中がパフになっているものを選んだママが多いようです。

 

対して、第二子以降では、「まだ3歳の上の子にも食べさせていない」というケースを除くと、「2歳~2歳半」が35%で最も多く、「1歳半~2歳」「2歳半~3歳」とやや初めて食べる年齢が下がります。おそらく、上の子やそのお友達が遊びにきたときなどに出されたチョコレートを少し口にするところから食べ始めていると考えられます。

こうすればよかった!先輩ママの失敗談


先輩ママからは、チョコレートにまつわる失敗談や、「こうすればよかった!」という声も聞かれました。一部をご紹介しますね。

 

「夫の実家に帰省した時、私が席を外している間に、1歳前の子どもに義母がチョコレートを食べさせていました!子どもは初めての強い甘みで最初きょとんとして、ニコニコしていましたが…私は、腸内環境が未発達なうちはできるだけ白砂糖は控えるようにしていたのに、がっくりでした」

(1歳と妊娠6ヶ月のママ・30代)

 

「チョコレートは糖分が多いのが心配だったので、高カカオのものならいいかと思って3歳の娘に食べさせたところ、じんましんが出ました!」

(3歳と1歳のママ・20代)

 

「甘い物を食べても、ちゃんと歯磨きすれば大丈夫って言いますよね。でも、うちの子は当時絶賛イヤイヤ期。中でも歯磨きは大嫌いで、食べる前はちゃんと歯磨きするならチョコ食べていいよって約束するのに、いざ食べ終わるとイヤイヤで…本当困りました」

(3歳と0歳7か月のママ・20代)

 

「上の子と5歳離れているので、下の子は色々同じものを欲しがりますが、食べさせたくないものが多くて困ってました。ある時ショッピングセンターで、シリコン製の“板チョコ型の歯固め”を見つけて。すごくかわいかったので、赤ちゃんの頃に欲しかった!と思いました」

(7歳と2歳のママ・30代)

 

「よく、あまりに食べるものに厳しくすると、よそのお宅にお邪魔した時などに目の色を変えてガツガツ食べるので良くないとも聞きますよね。聞いたことがあったのに、息子が幼稚園に入っても習慣で“チョコはダメだよ”と言っていたら、ある時お友達の家でまんまとやってしまったみたい…後日それを知って恥ずかしかったです。それから少しずつ解禁に。」

(6歳のママ・40代)

 

「パパがバレンタインに会社でもらってきたチョコレート。宝石箱みたいで、それを見た息子も目をキラキラさせていたので、パパが一個あげたのですが、よく見ると洋酒が入っていて…さいわい何事もなかったですがヒヤヒヤしました!」

(4歳と2歳のママ・30代)

チョコレートを与える時期はよく考えて


今回は小さい子へのチョコレートのメリットやデメリット、みんなのチョコレート事情をご紹介しました。できるだけ食べ始める時期は遅い方がいいと考えているママがやはり多かったものの、子育てはなかなか理想通りにいかないのも事実です。

 

チョコレートに限らず、大人とまったく同じお菓子を食べさせる時は、どんな成分が含まれていて、どんな影響があるのか、適量は…などを知っておくことで、判断に役立ちそうですね。

 

文/高谷みえこ

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書