オギーという"太陽"の周りの家族という"惑星"
タイトルにもあるように、ワンダー(奇跡)でもあり、太陽でもあるオギー。オギーの家族は、オギーという太陽の周りを家族という惑星が回っているという構造です。学校に通い始めることにより、オギーの周りには素敵な惑星が増えていきます。 特別な顔を持つという理由だけで、オギーの周りに人が集まってくるのではありません。オギーはとてもチャーミングな男の子です。オギーと最初に仲良くなったジャックのセリフに、「最初は校長先生に頼まれたから仲良くしていたけれど、誰の隣にいたいかと訊かれたら、オギーと答える」というのがあります。つらい時には、楽しいことを想像して、という母親の言葉を実践するオギーは、いつも笑顔で、気づけば周りを明るくしているのです。 担任、理科の先生はオギーの個性をしっかりと引き出してくれる、素敵な人たちばかり。校長先生がとても魅力的な人なので、良い先生ばかりが登場してきても出来過ぎ?!と感じません。さまざまな出来事があったからこそ、「オギーは見た目を変えられない。私たちの方が見方を変えなくては」という終盤のセリフにグッときます。
ユーモアと愛に溢れてる!
強い母親、ユーモアのある父親、優しい姉、そして家族の愛。あたたかい物語にならないわけがありません。『スター・ウォーズ』が大好きなオギーの想像の世界には、なんと本物のチューバッカも登場しちゃいます。嫌なことがあったときの、対処の仕方を教えるうえでも、参考になるセリフがたくさん出てきます。 そして、もうひとつ参考にしたいのが、オギーの部屋のインテリアです。大好きな『スター・ウォーズ』グッズはもちろんのこと、宇宙飛行士を夢見るオギーにぴったりの空間に仕上がっています。ベッドの上で、ヘルメットを被りジャンプするシーンは、まさに無重力で宙を舞う宇宙飛行士のよう。子供部屋のインテリアの参考にもなりますよ。 涙が溢れる感動作であることは、鑑賞前から想像がついていましたが、いわゆる“お涙頂戴”的な映画ではありません。涙は流れるけれど、悲しい涙ではない。笑顔になりながら、涙が頬をつたう…、ぬくもりと愛が溢れるのを実感してみてください。
文/タナカシノブ