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「そのバッグかわいいね!」「○○ちゃん、お利口でうらやましいわ」…公園で知り合ったママ友や、保育園の行事などで他の保護者とおしゃべりしているときに、あなた自身やお子さんについてほめられたらどう答えていますか? そこで自慢話を始めれば感じが悪いのは誰にでも分かりますが、実は「いやこんなの全然安物で…」や「そんなことないですよ、うちの子なんて全然ダメで」もおすすめできないんです! じゃあ一体、どう答えればいいの?!この記事では「ママ友にほめられた」時の受け答えについて、何がベストなのかを探ってみました。

 

あなたへの“ほめ”は「ありがとう」で会話を繋げて


これは私自身が保育園・幼稚園ママだったころの経験談になるのですが、私は身長が170センチ近くあったので、知り合って間もないママから「お仕事、モデルさんなの?」と尋ねられることがよくありました。実際はモデルでも何でもないので(笑)最初はすごく焦って否定していたんですね。

 

「いやいや全然そんなことないです!私なんてモデルのはずがないですよ!」

 

でも実は、否定すればするほど会話は長引きます。 「だって背も高いし…いつもおしゃれで…」 「いえいえいえ~そんなこと(以下繰り返し)」 という調子で毎回、ヘンな汗をびっしょりかいて過ごしていました。

 

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そしてあるとき、 「ありがとう、の方が気持ちよく会話が続く」 というシンプルな結論に達したのです。

 

そもそも、相手が見た目をほめてくれるのは、まだ私の内面は知らないから会話のきっかけとして口にしてくれているのですよね。好意や「これからよろしくね」という意思表示であるわけです。

 

それに対して、「否定」するのと「感謝」するのと、どちらがいいのか?と考えると、感謝の方が良いのは明らか。

 

ある時、娘の同級生ママに 「スタイルよくてうらやましいわ」 と言っていただいたので、 「本当ですか?嬉しい、ありがとうございます」 と答えると、そこで会話が一段落して、私もドギマギすることなく自然に次の話題へと移ることができました。

 

おかげで、最近ではさらに 「昔から身長が高くて。中学校に入ったとき、バレー部の顧問の先生に放課後体育館に来てみないかってスカウトされたんですけど、運動神経が鈍いので…2~3回レシーブさせられて“もう帰っていいぞ”って言われたんですよ!」 と笑いをとる余裕まで出てきました。(実話です)

 

私は大阪出身なのでこんな感じですが、どんなタイプの人であれ、ひたすら「いえいえ」「そんなこと」と否定しつづけるよりも、素直に「ありがとう」と言う方がきっとスムーズで印象が良いはずです。

 

子どもへの“ほめ”は話題をスライドさせて返そう


保育園に通っていると、赤ちゃん時代はあまりわが子と他のお子さんをくらべる機会はありませんが、少し子どもが成長してくると、週末などに家を行き来したり、子どもを通じて「○○ちゃんってこんなことができるんだよ」と聞く機会が増えてきます。

 

そして、行事の時などに母親同士で「いつも子供が仲良くしていただいて」とあいさつすると、相手のママから「○○くん、もうひらがな全部読めるんですってね。すごい!」等とほめられたら…どう返していますか?

 

こんなとき、 「いえいえそんなことより、お片づけも全然できないし、甘えん坊でわがままで、あれもこれもできなくて…」 と必死で「できないこと」を並べてしまうママが意外と多いんです。

 

でも、もしわが子や他の子が近くで聞いているとしたら、これは絶対にNGです!

 

ママは謙遜のつもりで言っていたとしても、子どもは言葉どおりに受け止めてしまい、 「僕ってあれもこれもできないダメな子なんだ」 と思ってしまいます。

 

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しかも、人は、心理学上「Aさんはだらしなくてワガママな人」と事前に第三者から聞かされていた場合、同じ行動や発言をしても、「やっぱりだらしない」「ワガママな人だ」ととらえてしまう傾向があるといいます。

 

わが子がお友達から「こういう子なんだ」と思われて困るような発言はしないでおきましょう。

 

おすすめは、「ひらがなが読める」ことをほめてもらったのであれば、「うちの子、本が好きなので、続きを読みたいがために覚えてしまったみたいなんです」と、「優れている」ではなく「好き」だということにフォーカスして話すこと。「好き」には順位も優劣もないので、相手のお子さんにやママに対する気兼ねもいらず、わが子をけなすことにもなりません。

 

「○○ちゃん、やさしいですね」など、性格については、素直にお礼を言うとともに、子どもが近くにいたらぜひ、「□□ちゃんのママが、○○やさしいねって。嬉しいね」と声をかけてあげましょう。

 

そして、ほめてくれた相手のお子さんのいいところも伝えてあげられたら最高ですね。そのためには、常に自分の子にもよその子にも、「いいところ」を見つける気持ちで接することがいちばんです。

 

もし、相手のお子さんと接する機会がなく、どんな性格なのか分からない場合は、ママに「□□ちゃんはおうちでどんな感じですか?」と聞いてみるのも、会話が広がっておすすめですよ。

 

持ち物は「ストーリー」を伝える気持ちで


これは友人から聞いた話ですが、幼稚園でクラスのママに「素敵なバッグですね」とほめてもらったので、思わず「これ安かったんですよ!○○円です!」と答えると、なんだか気まずい雰囲気になってしまったそうです。

 

友人は、お得情報を教えてあげるような感覚だったのですが、相手のママはどうも、高価なものばかり身につけている人だったよう。

 

「世界が違う」と思われたのか、「値段を言うなんてデリカシーがない」「安いものをほめてしまった自分の見る目がないと言われたみたい」でプライドが傷ついたのか分からないけど…とのことでした。

 

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ママ同士の価値観の違いは仕方のないことですが、できるだけこういった状況を避けるには、値段やブランドではなく、モノに対するストーリーを話すようにするといいですね。

 

「園で使う室内履きと書類がおさまるバッグが欲しくて」 「これ、すごく軽いんですよ」 と、サイズ感や使い心地などを話題にするのがおすすめです。

 

まとめ


ほめられたとき、とっさに謙遜するのは、日本人特有の行動かもしれません。これを美徳という見方もできますが、アメリカ・中国・韓国の高校生と日本の高校生を比較した調査では、「人並みの能力がある」「体力に自信がある」「勉強が得意な方だ」などに、日本では「はい」と答える学生が少なく、逆に「自分はダメな人間だと思うことがある」は多いなど、他国と比べ自己肯定感が低いという結果が出ています。

 

これから世界に出てゆく子どもたち。まずはママから、ほめられた時に否定せず素直に受け止める姿を見せていってあげたいですね。

 

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文/高谷みえこ