4度の結婚と離婚を経て、今は4人の子どもたちと暮らすMALIA.さん。人を愛すること、愛されることに長けているイメージがありますが、実際は「まず、自分のことを全然愛せていなかった」と言います。30代で気がついた愛とは、そしてMALIA.さんがこれからチャレンジしていきたいこととは。
35歳、自分を大切にしていないことに気がついた
── 年を重ねていくにつれて、人間関係を新しく構築したり、人を好きになるということが難しくなってくるかと思うのですが、MALIA.さんの場合はいかがですか？
MALIA.さん：
自分のことがを好きでいられたから、他の誰かの事も好きになれる。
私のことがわかるまでに結構かかった。ママからもパパからもそうだし、男の子にすごくモテたと思う。男の子たちからも大事にされたの。
だからいつも「誰かに幸せにしてもらうこと」が私の中では当たり前だった。
ミュージカルや、ディズニー映画を観て育ったから、結婚がハッピーエンディングだったんだよね。シンデレラだって、夫婦喧嘩してるかもしれないけど、それを見せてくれなかったじゃない？
── 確かに、結婚してそこでめでたしめでたし、ですよね。
MALIA.さん：
だから結婚して、ハッピーエンディングだ！って思っていたら、その後トラブルがたくさん起きるわけ。全然幸せじゃないじゃん、幸せにしてくれるんじゃなかったの、って。
で、35歳ぐらいのときに「違ったんだ」、って気がついたの。
これだけ結婚したいって言ってくれるなんてすごいことだな、って思ってOKしたけど、始まってみるとなんか違う。
私は自分のことをちゃんとわかってなかった。彼らは結婚したいって言ってくれたけど、私はどうなんだろう？って。私は何が欲しいのかな、何が必要なのかな、どうしたいのかな、って考えたときに、いつも相手軸で自分のことを大切にしてないじゃんって、気づいたの。
自分軸がなくて、他人軸、彼らの軸で結婚を決めてきた。自分と向き合って、自分のことをもっと愛してあげなきゃいけない、と思った。
── それまでは自分のことを愛せていなかった、ということでしょうか？
MALIA.さん：
幼少期に大切に育ててもらったことで自己肯定感はあったんだと思います。
でも、そういうベースにある自己肯定感とは別で、自分で育てないといけない自己肯定感というのは、35歳以降にやっと気付いて、自ら育んできた気がするんだよね。
── 今はだいぶ変化してきましたか？
MALIA.さん：
変化したっていうか、もうブレない。不安にならない。
── 結婚観も変わったのでしょうか？
MALIA.さん：
もうプロポーズを受けちゃいけないと思ってる。次は私からしてみよう、って。まだあと人生は半分あるし、きっと誰かと結婚するでしょう（笑）！
── 母として、モデルとして、さらに経営者としても活躍していらっしゃいます。今後、挑戦してみたいことはありますか？
MALIA.さん：
この島国で育って、環境と人の目を気にしながら、「ああしなきゃダメなんだよ」「こうしなきゃダメなんだよ」って言われながら育ってきてるじゃない？
でも、「私は私でいいよね」ってなってほしい、というメッセージを込めた「AAAA.（フォーエードット）」というコスメブランドをプロデュースしたんです。
母である私が、子どもたちのための未来を思って作ったけど、自分たちもまだメイクをする世代だし、ティーンだけじゃなくて、年齢を問わず、自分のことを愛していこう、っていう想いが込められているの。
ジェンダーレスな子たちにも発信しているし、褐色の肌の子も使えるようにファンデのカラー展開もあって。みんないろんな肌の色をしていて、いろんな考えがあって、みんな違うよね、ということを伝えたい。
そんなふうにものを作ることが大好きだけど、私は何よりもチームでクリエイティブなことをするのが大好き。
そんな商品をただ商品としてだけでなく、自分を愛することが大切だとか、自分のお手入れをしてあげることで、自分を大切にして、愛することに繋がっていくよ、っていうことが伝わっていってほしいです。
PROFILE MALIA.さん
マリア。1983年生まれ。経営者・モデル・タレント。4児の母。多数の女性誌専属モデルを務め、ファッションイベントにも出演の他、テレビ番組にも出演。2009年にはAnelaInc.を立ち上げ、幅広く活躍している。YouTubeチャンネル「MALIA. CHANNEL」やInstagram「malia_xxx」でも子育てエピソードなど公開。
取材・文／ふくだりょうこ 撮影／坂脇卓也
