書写もノートもテストも字が汚い ——。読みにくい字を書くお子さんに頭を抱えてしまっている親御さんも多いのではないでしょうか。そんなお子さんにはどうサポートしてあげたらよいのか、教育家・見守る子育て研究所(R)所長の小川大介先生に伺いました。
【Q】字が汚すぎる子、どうしたら?
小学校2年生の男の子の母です。息子の字がとても汚く、読めたものではありません。トメ、ハネ、はらいなど、細かいところも問題はあるのですが、それよりも、字のバランスが悪いです。たとえば「森」という字は3本の木を同じくらいの大きさで書けばいいのに、上の木がとても大きかったり、「休」という字は左右同じではなく、にんべんが大きかったり…という具合で、漢字としては正しいけれど、バランスが悪く汚く見え、テストの枠からはみ出すこともしばしばです。一字一字つきっきりで教えてあげる時間もありません。どうした良いのでしょうか?
周囲がなかなか気づきにくい「視力のバランス」
文字がうまく書けないのにはいろいろな要因がありますが、まずは視力で左右にズレがないか確認してあげてほしいと思います。たくさんの子どもたちを見てきましたが、視力のバランスがズレていることで、「見えているけれど頭に入ってこない」子が意外と多いと感じています。
脳がうまく像をキャッチできず、見ているものと頭のなかで理解した形がズレて、イメージしている字と手が書いている字が一致せず苦しんでしまう。とくに小さいお子さんはそのような状態になることが多く、本人は「そういうものだ」と思っているので、なかなか周囲が気づいてあげられません。ご相談者様のお子さんもまだ小学校2年生ですので、まずは視覚機能をチェックしてあげるといいかもしれません。
欧米では視覚機能を鍛える「ビジョントレーニング」の歴史が長く、視覚機能の検査や支援を担う「オプトメトリスト(検眼士)」という国家資格もあってサポートが充実していますが、日本は残念ながらそこまで環境が整っていません。
視覚機能が気になったらまずは眼科に行くことをおすすめします。その際に単に視力の問題ではなくて、見ているものが上手くキャッチできているのか気になるということを医師に伝えてみましょう。知識がある医師でしたら何らかのアドバイスをもらえるでしょうし、しっくりこない印象なら別の医師を探すか、専門性の高い眼鏡店を訪れてみるのが良いと思います。