家計をやりくりするうえで注目したいのが、ネットバンク。さまざまな銀行や信金がネットバンキングを行っているなか、家計再生コンサルタントの横山光昭さんにはオススメの金融機関があるとか。いったいどこなの?どうやって使うとお得なのでしょうか。
振込手数料が「無料」なのは大きい
ネット専業銀行は、利用者を増やすために、各社がさまざまなサービスを競い合っています。それらを賢く使えば、余計な出費を抑えられ、家計のやりくりが上手くなります。
たとえば、ネット専業銀行の売りのひとつは、振込手数料が安いことです。
住信SBIネット銀行は、振込手数料が月5回まで無料、ATM手数料も月5回まで無料です(※スマート認証NEO登録などがランク2の場合)。
楽天銀行も、残高が100万円以上あれば、振込手数料も月3回まで無料になります。ATM手数料も月5回まで無料です。
もちろん、他行あての振込でも手数料は無料です。
メガバンクの場合、みずほ銀行から他行宛にATMで振り込むと、3万円未満の振り込みで270円、3万円以上が330円の手数料がかかります(※キャッシュカードを利用した場合)。
ネットバンキングでも、手数料は3万円未満が150円、3万円以上が320円です。
三井住友銀行も他行宛にネットバンキングで振り込むと、3万円未満が165円、3万円以上が330円の手数料がかかります。
振り込みが多い人は、ネット専業銀行を利用したほうが断然お得です。
デビットカードを利用するメリットは大きい
魅力的なデビットカードを用意していることも、ネット専業銀行の特徴です。
デビットカードとはクレジットカードのようにVISAやMasterなどの加盟店での決済に使えるカードです。
以前よりキャッシュカードで支払いができる「J-debit」がありましたが、それがより便利になったものです。
クレジットカードと異なるのは、銀行口座から即時に代金が引き落とされること。支払いを先送りするわけではないので、家計管理がしやすくなることから、私はクレジットカードよりデビットカードをすすめています。
ネット専業銀行のデビットカードを見ていくと、他にはない魅力があります。
たとえば、楽天銀行デビットカードは、利用金額100円ごとに楽天ポイントが1ポイント貯まります。Master、VISA、JCBと選ぶことが可能です。
また、セブン銀行のデビットカードは、JCB加盟店で買い物をするとnanacoポイントが利用金額の0.5%、セブンイレブンや西武そごうなどで買い物をすると利用金額の1%が貯まります。
通常のnanacoはセブンイレブンで買い物をしても、ポイントが利用金額の0.5%しか貯まらないので、デビットカードのほうがお得です。
目的別に複数の口座を作れる機能も!
ネット専業銀行のなかには、定期預金の金利が高い銀行もあります。
たとえば、オリックス銀行の「eダイレクト定期預金」は、100万円以上を5年以上預けると預金金利が0.25%に達します。定期預金の金利がお得になるキャンペーンを実施する銀行もあります。
特定の目的のためにお金を貯めるときには、住信SBIネット銀行の「目的別口座」が便利です。これは預金口座のなかにつくれる貯金用の口座。
たとえば、「教育資金を貯める口座」をつくると、その口座に毎月定額のお金を自動的に積み立てることができます。目的別に複数の口座をつくれば、貯金の管理がしやすくなります。
また、楽天銀行や住信SBIネット銀行はそれぞれ楽天銀行やSBI証券に容易に入金できるので、投資をする人にとって非常に重宝します。
以上のようにネット銀行はさまざまな魅力がありますが、口座を開設しすぎると、家計の管理がしにくくなります。ご自身にあったサービスのあるネット銀行に絞って、利用すると良いでしょう。
監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ
※各金融機関のサービスや手数料に関する情報は2022年2月下旬時点でのものです。ご利用に関しては、各金融機関でご確認ください。