3月は年間で12を争う「支出が多い月」。ここで支出がかさみ過ぎると、4月以降の家計が苦しくなります。そこで、家計再生コンサルタントの横山光昭さんに、簡単にできる家計管理の仕方を聞きました。浪費をやめましょう、というわけでもないようです。

学費、服、家具、交際費…3月はお金がかかる

総務省統計局の家計調査によると、20213月の消費支出の平均額は309800円。317206円の12月に次いで、年間で2番目に多い数字です。

 

3月の支出が多いのは、2021年に限った話ではなく、他の年でも変わりません。

 

家計調査のデータを見ると、3月はさまざまな支出が増えることがわかります。毎年、例外なく増えるのは、学費、教科書代、学校への定期代などといった教育関連の出費。

 

新生活の準備で、家具、自動車、自転車などの購入費用も上がりますし、衣替えの季節なので、被服費も上がります。

 

コロナ禍以前は、歓送迎会やお花見などがあるので、交際費や外食費も増えていました。

 

3月の支出がかさみ過ぎると、4月以降の家計のやりくりが厳しくなります。学費のように節約しようがない費目もありますが、被服費や食費などは十分に節約できるはずです。

 

きちんと家計管理をして、支出を抑えましょう。3つの視点を意識することが大事です。

浪費をやめる必要はありません

「家計管理は面倒くさい」と感じる人もいるでしょう。今年こそは、と1月に家計簿を始めたけれども、すぐに挫折した…という人もいるかもしれません。

 

そんな人におすすめなのは、「消・浪・投(ショー・ロー・トー)」の観点で自分の支出をチェックすることです。

 

「消・浪・投」は、私が編み出した独自の家計管理術のこと。支出を以下の3つに分けて考えます。

 

「消費」=日常生活を送るために必要な支出。食費や住居費(家賃、住宅ローンなど)、水道光熱費、教育費、被服費、交通費など

 

「浪費」=生活には必ずしも必要ではない支出。贅沢品や衝動買いしたモノ、使っていないのに払い続けているサービスの手数料、高い金利など

 

 「投資」=自分や家族の将来に向けての支出。資産運用や貯蓄の他、習い事の費用や書籍代など自己投資も含まれる

 

このうち、浪費と感じた支出を減らすだけでも、節約効果があります。

 

さらに、「消・浪・投」の長所は、家計簿をつけなくても家計を管理できること。

 

具体的には、消費・浪費・投資の3種類の箱か袋を用意して、もらったレシートを分類します。1か月経ったら、支出のうち、消費・浪費・投資にどんな割合で使っているかを計算してみてください。

 

理想の割合は、消費70%、浪費5%、投資25%。これは、私がお金の使い方が上手な人の割合からはじきだした数値です。この割合に近づけるだけで、ムダな出費が減ります。

 

浪費を減らすことは大切ですが、0にして生活が窮屈になリすぎてもよくないので、「5%」残しておくのもミソです。

 

このように、「消・浪・投」で家計を考えると、自分にとって納得感のあるお金の使い方ができるようになります。ぜひ試してみてください。

監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ
参考/総務省HP(家計調査/1. 品目分類:支出金額・名目増減率・実質増減率(月・年)のデータ)