3回離婚した後の奇跡

3度の離婚経験があるララさん(50歳)。3度目の離婚後、もう二度とつらい思いをしたくないと、生き方を変えたといいます。試行錯誤した結果、現在は8歳年下の夫と幸福な結婚生活を送る日々。ララさんに、生き方を変えるために、どんなことをしたかを振り返ってもらいました。

今までガマンしていたことを徹底的にやる!と決心

3回の離婚を経験し、意気消沈したララさん。実家に帰ろうにも田舎のため、周囲の目が気になります。“もう実家にも帰れない、ずっとひとりで生きていかなくては”と、今後の人生を考えるとつらくなったといいます。

 

「自分だけでなく、家族や周囲の人たちも傷つけてしまったのが申し訳なくて、顔向けできない気持ちもありました。どうしてこんなことになったんだろうと自己嫌悪の日々でした」

 

そんなとき、やけくそ気味に思いついたのは、“今までやりたくてもできなかったことを全部やる。欲しかったものも全部買う”ことでした。

 

「子どもの頃、音楽やダンスが大好きだったのに、学歴重視だった親に習わせてもらえませんでした。これを機に、ガマンしていたことはすべて挑戦してみようと思ったんです。

 

ドラムやギター、ダンスを習い、洋服を全部買い替えるなど、貯金が尽きるまで徹底しました」

 

その行為は楽しむためというより、欠落した部分を埋めていく修復作業のような感覚だったといいます。気になることに片っ端から挑戦していくたび、少しずつ元気を取り戻し、満たされていくのを感じました。

ダメ男に引っかかりたくない!猛反省で始めたこと

徹底的にやりたかったことをするのと同時に理想の男性のリスト作りもおこないました。

 

「さすがに3回離婚すると傷つくことも多かったです。もう二度とつらい思いはしたくなく、今後、結婚はないと思っていました。

 

でも、過去の経験から、うっかりダメ男に引っかかるかもしれない。そんなことがないように、理想の男性像を明確にしておく必要があると感じました」

 

今まで見た目など異性の表面的な部分しか見ていなかったララさん。このとき初めて、自分が本当に求めているのはどんな相手かを何日もかけて具体的に考えました。

 

「出身地、身長や体型、声質、体臭、性格から、年収にいたるまで、です。あとは、これまで付き合ったダメ男たちとは逆の人をイメージしました。

 

価値観や笑いのツボが似ているとか、お酒はたしなむ程度で健康的、悩みを聞いてくれて、私を誠実に愛してくれる。休日は一緒に過ごせるなどです。自分のことは棚に上げますが、初婚の人がいいなとか(笑)」

 

完成したリストを眺めているだけで幸せな気持ちに。「こんな人がいたらいいな」と想像するだけで楽しい毎日でした。

付き合う友人も変えて幸せのイメージを描くように

離婚を繰り返していたとき、ララさんの周りには、不幸な恋愛をしている友人ばかりだと気づきました。

 

「友人とはグチばかり言っていました。ストレス発散にはなりましたが、傷のなめ合いに終始して、これでは何も進展しないと気づいたんです」

 

そこで意識して、夫婦仲や家族仲のいい人や、長年連れ添う仲良しの熟年夫婦など、幸せな人と接するように。人生でうまくいかないことがあったらどうしたらいいと思う?と、アドバイスを求めてみました。

 

「本当に幸せな人って、満たされているから優しいんです。幸福になる方法を一生懸命考えてくれました。それに、そうした人の姿を見ることで、“自分もこうなりたい”と具体的なイメージも描けました。

イベントで知り合った男性はトキメキとは無縁のはずが…

これまでの生き方を反省し、新たな一歩を踏み出すなか、趣味を通じてある男性に知り合います。イベントの主催者で、ララさんより8歳年下でした。

 

第一印象は、何を考えているのかわからず、自分とは合わないタイプ。イベントが終わったらもう会うこともないだろうと思っていたそうです。

 

「でも、イベントの打ち上げ後、会場に大事なものを忘れてしまって。それを彼が保管してくれていたんです。“忘れ物を返したいので”と言われました。最初は郵送してほしいと伝えましたが、偶然近所に住んでいたことがわかり、会うことに」

 

じっくり話してみると、第一印象からは想像もしなかった、彼の繊細さや優しさが伝わってきました。次第にふたりの距離は近づきます。

 

彼は最初からララさんに惹かれ、交際を望んでいました。でも、ララさんは自分が8歳も年上であることも、3回の離婚歴もなかなか伝えられずにいました。

 

「バツ3だと話すと、だいたいの男性は逃げ腰になるんですよね。でも交際するなら、年齢も離婚歴も秘密のままにはできません。

 

だから、あるとき打ち明けたいことがあるので、それを聞いてから決めてくださいと言いました」

 

意を決して伝えたところ、彼は引くどころか“なんだ、そんなことかー”と、ほっとした様子でした。その反応に驚いたのはララさんのほうです。

 

「“ムリしなくていいよ、びっくりしたでしょ?”と聞くと、彼は“離婚しててくれてよかったよ、もしララさんが結婚していたら自分とは交際も結婚もできないよね?”とのことでした。そんな発想をする人がいるんだと驚きましたね」

 

この人とだったら一緒にいて安心できると感じたそう。驚いたことに、彼はララさんが作った「理想の男性像」リストのうち、高望みしすぎていた年収以外は全部当てはまっていました。

 

ゆっくりと関係を深め、出会って1年後に結婚。現在、結婚5年半を迎えます。これまで「平均2年で離婚」を迎えていたララさんにとっては最長記録。そして、これからもずっと一緒にいるだろうという確信があります。

 

「やりたいことを全部やったことで満たされ、うまくいかないことがあっても人のせいにしなくなりました。それに、理想の男性リストを作ったことで、ようやく自分が本当に求めているものがわかりました。そのおかげで、ありのままの自分でいられる夫と出会えたんだと思います」

ララさん(ブログ https://ameblo.jp/lala-koshiawase)

文/齋田多恵 写真提供/ララさん
※上記は、ララさん個人の経験談・感想です。