皆さんは「瞬足」という子ども用運動靴をご存知でしょうか? 小学生の2人に1人が履くほど人気の運動靴ですが、実は壮絶な誕生秘話が存在します。以前放送された『林修のニッポンドリル』(フジテレビ系)では、瞬足が生まれた経緯を取り上げていました。

上履きメーカーが業績悪化に…

そもそも瞬足とは履くだけで足が速くなると評判の子ども用運動靴。アキレス株式会社から販売されており、ロングヒットを続けています。同社はもともと白い上履きを主力商品としていましたが、ライバル会社が色つきの上履きを発売。アキレス株式会社は「デザインは一過性のものですぐに飽きられる」と考えて何も手を打たなかったので、色つき上履きがヒットすると窮地に追い込まれてしまいました。

 

同社は靴底を製造する高い技術があるため、滑らない靴底の上履きで対抗します。しかし売れ行きは芳しくなく業績は悪化。会社の命運がかかった「新たな運動靴のヒット商品を生み出す」という企画が1人の社員へ託されます。その社員が手掛けるプロジェクトこそが、「瞬足」誕生のきっかけでした。

滑らない上履きのノウハウが力を発揮!

運動靴を手がけることとなりましたが、社員は営業部出身のため商品開発のノウハウがほとんどありません。そこでまずは「子どもの靴の写真」を撮影し始めます。運動会や学校の行き帰りの子どもの靴を撮影し続け、その枚数は約6000枚にも及びました。

 

瞬足のアイデアが舞い降りたのは、「運動会で足を滑らせて転倒する子」の写真を眺めた時。社員は「運動会で足を滑らせずに走れる靴」を作るプロジェクトを立ち上げ、上履きのノウハウを活用して滑りにくい靴底を実現しました。さらに学校の運動場が全て左回りなことに着目し、「靴底が左右非対称の靴」を提案。左足の左側と右足の左側に特殊な靴底を取りつけ、ついにコーナーで滑らない「瞬足」が誕生したそうです。

 

人気の瞬足が生まれた開発秘話に、ネット上では驚きの声が続出。「瞬足って上履きメーカーが作ってたの!?」「うちの息子も履いてる。靴底の違いを熱心にプレゼンされたのを思い出した」といった反響が寄せられています。

子どもの靴を選ぶ基準は?

人気の運動靴「瞬足」がヒットした理由には、ママとパパの「子どもに良い靴を履かせたい」という気持ちも影響しているのかも。株式会社LinKageは以前、「『子どもの足育』に関する意識調査」の結果を公開していました。

 

はじめに「お子様の靴選びをどの程度重要だと考えていますか?」とたずねたところ、93.7%のママが「とても重要」「重要」と回答しています。続いて“靴を選ぶ際に大事にしていることを教えてください”と質問。最も多かったのは43.2%で「価格」でしたが、2位以降は「サイズのフィット感(41.4%)」「機能(40.5%)」と続きます。

 

子どもの靴にも機能性やフィット感を求めるママは多いよう。運動会や走ることが好きな子どもには、機能性に優れた瞬足の購入を検討してみてもいいかもしれませんね。

文/河井奈津
参照/株式会社LinKage「『子どもの足育』に関する意識調査」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000024659.html