映画にドラマに大活躍の松本まりかさん

 

プリキュアシリーズの劇場版最新作『映画トロピカル〜ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』(公開中)でプリンセス・シャロンを演じている松本まりかさん。2021年は主演ドラマが立て続けに放送されています。忙しい日々を送る中で考える、仕事との向き合い方や自分のための時間の作り方、さらに、今後豊かな人生を送るために考えていることなどをお話ししていただきました!

「思い描いていた夢以上のことが叶っている」

忙しい日々に「もがきながら向き合っている」そう

 

── 映画にドラマに大活躍の今の状況をどう捉えていますか?

 

松本さん:

10代、20代から売れるとは思っていませんでした。かといって、30代になったら売れるとも思っていませんでしたが、若い頃から、「30代になったときに恥ずかしくない大人になりたい」という理想はありました。ちゃんと自分の足で立てる、自分で自分を尊敬できる人になりたいなって。仕事の量もすごく増えて、映画では雪の国のプリンセスにもなれました(笑)。思い描いていた夢以上のことが叶っていますが、今、ようやく本当にやりたいこと、夢が見られる状態になったのかなとも思っています。

 

── 目標を立ててじっくりと取り組むタイプですか?

 

松本さん:

気持ち的にはじっくり取り組みたいと思っています。仕事量がすごく増えていることは、とてもありがたいことなのですが、不器用なのでうまく全部ができているのかという不安は正直あります。でも、ここががんばりどころという気持ちで、日々もがきながら向き合っています。

 

30代後半は自分の心に嘘をつかず、心から自分が生きたい人生を生きたいと思っています。もちろん、具体的な目標や高い理想はあります。そのためには、今はとにかく目の前にある仕事をひとつひとつ一生懸命、100%の力でやり切ることが大切だと思っています。それがその先の夢や理想に繋がっていくことを、これまでの人生で学んだので、ここからの人生でもやり続けられる人でありたいです。

 

── 忙しい毎日を過ごす中で松本さんが心がけていることを教えてください。

 

松本さん:

仕事は楽しいし、休みなんかいらないという気持ちでやってきましたが、心に余白や余裕を持つために、やっぱり休息って大事だと気づきました。30代は、20代よりも経験値が上がり、よりパワフルになって輝いているときだから、仕事がすごく忙しい人もいるし、子育て中だったら、子どものためにやらなければならないこともたくさんある。時間が足りないと感じている方はとても多いはずです。

 

どうしても、子どものため、家族のため、仕事のためを優先して、自分を差し置いてしまいがちですが、自分を労る時間は忘れないでほしいです。洋服でもメイクでも趣味でもなんでもいいから、自分のことを考える時間、きちんと自分と向き合う時間を作るのは大事なこと。それこそ、プリキュアのようなかわいいものに触れるだけでもいいと思うんです。子どもが観ているからではなく、自分が観たいからという気持ちで観るのとでは、見え方も感じ方も違うと思うので。

「自分の人生だから自分で判断し、決断したい」

最近の”気づき”を教えてくれた松本さん

 

── 松本さんは、自分と向き合う時間を作っていますか?

 

松本さん:

作りたいと思っています。でも、どうしても時間的に難しいとなったら、忙しいことに没頭すればいいと考えるようになりました。私の場合は、仕事こそがプライベートだと思うようにしています。休みがほしい、プライベートがほしいと願っても、叶わず悲しい気分になるくらいなら、目の前にある自分のすべきことに100%で取り組んで、存分に堪能することで充実した気持ちになったほうが健全。そう考えて、今はとことん仕事に打ち込む時と改めて燃えています。

 

── ないもの求めるよりも、あるものを堪能する。前向きでいいですね。

 

松本さん:

仕事に楽しみや生き甲斐を見つけられたら、プライベートで遊んだのと同じくらいの充実感が味わえる気もしています。何より、がんばった分以上のリターンがあったりするので、がんばることに損はないと思うんです。没頭するから中途半端な結果にならない。結局自分のステップアップにつながるし、仕事が充実したら、プライベートだって後からついてくると思うんです。

 

やりたいことも、やらなきゃいけないことも、できることも多い30代の女性として、目の前にあるやるべきことをしっかりやり抜くことが、自分を幸せにするすべてだと思って取り組むことが大事だと、つい最近気づきました。

 

── 最近の気づきとは!とてもリアルなお話ですね。現在は仕事に没頭するときとのことですが、家事などはどうしていますか?

 

松本さん:

もちろんやります。生活している場所が汚れていると気分が下がってしまうので、どんなに忙しくても毎日掃除します。お風呂掃除は、スポンジや洗剤を使わずに、バスタオルだけでピカピカに磨き上げます。毎日掃除するから専用の掃除道具がいらないんです。きれいなお風呂なら身が清められる気もするし、汚れないようにものを丁寧に扱うようになり、暮らしも丁寧になります。自分への浄化に繋がる気がするので、めんどくさいと思っても、どんなに眠くても、毎日のお風呂掃除は欠かさないです。

 

── 苦手だからこそ毎日欠かさない、なるほどです。

 

松本さん:

自分が苦手なことを克服したという事実が自分に自信をくれると思っています。成功体験を積むことはすごく大事なことだから、自分の目の前にある小さなことを積み重ねていくことで大きなことができるようになると信じています。コミュニケーションがあまり得意でなかった私が、多くの人とコミュニケーションができ始めたのも、これまでの積み重ねがなければなかったと思います。時間はかかるけど、その時の状況に合わせて、自分にできることをやり続けたら、自分のほしい世界が広がっていくのだと思います。

 

これから40代に向かっていく中で、責任も伴ってくるし、背負わなければいけないものも増えてくるはずです。でも、それに耐え得るくらいの自分でいたいと思うので、積み重ねも、自分磨きも今まで以上に自分に課していきたいです。課せられるものが増える分、得られるものも大きくなると信じていますから。

 

── 積み重ねで苦手を克服してきたのですね。

 

松本さん:

苦手だからという理由で、掃除ができない人にはなりたくないと思ったんです。もちろん、誰かに任せるという選択肢もあるのですが、まずは自分でやってみてから判断したいです。苦手を克服したうえで、誰かに任せるのはいいけれど、自分ができないからお願いするのは嫌なんです。自分の人生だから自分で判断して決断を下したいと思っています。

 

1人で生きていく覚悟、のように聞こえるかもしれないですが、結婚もしたいし、母親にもなりたいです。でも、今の時代、自分の足で生きていく覚悟を持つことはすごく大事だし、そのためにも自分の意思、選択で生きていける人になりたいです。

 

PROFILE 松本まりか / 女優

1984年生まれ、東京都出身。2000年にNHKのドラマ「六番目の小夜子」でデビュー。人気ゲームの声優を務め、2018年のドラマ「ホリデイラブ」での“あざとかわいい”役でブレイク。女優・声優のほか、ナレーターとしても活躍。声の出演作は、「蒼穹のファフナー」、「UN-GO」など。WOWOWオリジナルドラマ「向こうの果て」にて連続ドラマ初主演。2021年は、ドラマ「東京、愛だの、恋だの」、「それでも愛を誓いますか?」に主演。映画『ミッドナイトスワン』の内田英治監督と「向こうの果て」以来のタッグとなる主演作『雨に叫べば』は12月16日よりAmazon Prime Videoで配信。