スラリとした脚やお尻、ゆがみのない体。理想のボディが歩くだけで手に入る!?そんな夢のような方法を教えてくれるのが、著書「やせウォーク 4週間プログラム」が話題となっている運動指導者の森拓郎さん。今回は、「やせウォーク」の歩き方を安定させるトレーニングを紹介します。
「やせウォーク」とは? 悪いクセのない「正しい歩き方」のこと。正しい歩き方を日常的に行うことで、ジムなどで特別な運動を行わなくても、全身が自然と美しいボディライン(=やせる)へと変わっていきます。ポイントは「骨盤から前に出す」、「重心移動の最後は親指に」、「つま先・ひざは正面へ向ける」の3つ。
「やせウォーク」ありがちなNGパターンとは?
「やせウォーク」の効果を実感するには、正しい動きを身につけるのが大事、と森さんは言います。
「本来使われるべき筋肉が使われていなければ、それっぽい歩き方を続けていても、残念ながら効果は出ないでしょう」
正しく歩けているように見えて、ありがちなNGパターンとは、どのようなものがあるのでしょうか。
「片脚立ちになった際に、体を支えきれずグラついて、まっすぐに進めていないケースは多いです。これは体幹の弱さが原因なので、鍛えて安定性を高めましょう。腰まわりやお尻の筋肉、足裏のアーチも鍛えると、さらに安定します」
歩き方を安定させる①: 体幹のブレをなくす
「片脚で立った際のブレをなくして脚をまっすぐ出せるように、体幹を鍛えましょう。お尻を持ち上げる動作は、お尻と背中だけでなく腹筋を鍛える効果も。背筋がスッと伸びた姿勢で歩けるようになります」
①あお向けになり、ひざの真下にかかとが来るように両ひざを曲げる。手のひらを床につける。
②骨盤から動かすイメージでお尻をゆっくり持ち上げる。脚と上半身がまっすぐになった状態で5秒キープしたら、ゆっくりお尻を下ろす。腰を反らさないようにおなかに力を入れるのがポイント。10回繰り返す。
歩き方を安定させる②:股関節をほぐす
「股関節は骨盤を正しいポジションに安定させる大事な部位。また、お尻や太ももの筋肉とつながっていて、股関節がかたいと太ももが張ったりお尻が垂れてきます。しっかりほぐして動きを良くしましょう」
①あお向けになり、左脚を体の右側に置いて体をひねる。左のひざが床に近づくように右手で支えて30〜60秒間キープ。左の肩甲骨が浮かないように注意。 反対側も同様に行う。
歩き方を安定させる③: お尻のインナーマッスルを鍛える
「お尻の奥にある“梨状筋(りじょうきん)”を鍛えます。骨盤が安定して、歩くときの脚運びがスムーズになります」
①右半身を下にして寝転び、右手は頭の下、左手は腰に置く。両足を45度前に出して、ひざを直角に曲げる。腰はやや反り気味を意識する。
②足先はつけたまま、左ひざをゆっくり開いて2秒キープ。20回繰り返す。反対側も同様に行う。
歩き方を安定させる④:足裏のアーチを鍛える
「重心移動をする際は、小指からかかとをつなぐ足裏のアーチを通ります。アーチが機能していないと、着地のときに体がブレて、太ももが張る原因に。小指を動かして、アーチをしっかり刺激しましょう」
①片ひざを立てて座り、小指とかかとのライン上(足裏の外側)の少しへこんだ部分に直径1.8cmほどのペンを置く。
②すべての足指を上げ、指の間隔を開かせるようにしながら、小指だけをゆっくり床につける。小指はなるべく外側につけるように意識すると、アーチを刺激しやすくなる。10回行う。
③反対側も同様に行う。小指が動かしにくい場合は、手で補助してもOK。
足指を動かし慣れていない人は、足指がつってしまう可能性も。
「窮屈な靴を長時間履いていたり、運動不足だとそうなりがちです。無理のない範囲で続ければ、徐々に動くようになってきます。重心移動のイメージもつかみやすくなるはずです」
PROFILE 森拓郎さん
取材・構成/大浦綾子 イラスト/いしかわひろこ