子どもの将来には可能性しかない

── 息子の路瑛さんは中学1年生のときに親子起業で会社を設立。現在は「感覚過敏研究所」を立ち上げ、感覚過敏向けのサービスや商品の開発にも携わっています。そんな息子さんを、どのように見ていますか?
加藤さん:
やりたいことに挑戦していく息子を見ていてわかったのは、子どもにもいろいろな生き方があること。優等生じゃなくても、学校に通わなくても、人生は終わらない。彼の将来に不安ばかりを抱いてきましたが、そこには可能性しかないのだ、と気がつきました。
最近、息子が「感覚過敏は才能だ」と言うんです。味覚が敏感ならちょっとした味の違いにも気づけるし、遠くの音が聞こえることをスポーツに生かした人もいる。社会生活の中で生きづらさを感じやすいけれど、特有の「困りごと」を解消することができれば、個としての才能で輝ける人も多いと感じていいます。
これからも、感覚過敏研究所は感覚過敏の課題解決に取り組んでいきます。当事者の皆さんが、感覚過敏は才能だと胸を張って言える社会になってほしいですね。
PROFILE 加藤咲都美(かとう・さとみ)さん

取材・文/有馬ゆえ