共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。
「GLOBAL WORK」「niko and ...」「LOWRYS FARM」など、約30のブランドを展開しているアダストリアでは、社員の働きやすさにつながる制度が充実し、「自分らしく、長く働けるアパレル企業」として、採用難の昨今においても定員の倍以上の応募数を維持。ファッション業界を志す人から「選ばれる企業」として注目されています。
2017年に新たに導入した「支店制度」により、これまで以上に店舗管理の手が行き届くようになり、ブランド間を越えてのサポートや、採用、異動もOKとなり、店頭で働くスタッフの負担を軽減しました。新制度導入に至った経緯について、広報部の佐田楠都子さんに伺いました。
支店制度の導入で、エリアマネジャーの巡回頻度を大幅にアップ
── アダストリアでは、2017年に「支店制度」を導入していますね。本部に集中していた店舗の管理業務を分散したとのことですが、その理由について教えてください。
佐田さん:
2017年以前は、ブランドごとに業務管理をしていて、本部に在籍する各ブランド担当のエリアマネジャーが売り上げの管理、販売促進検討のため、定期的に店舗を巡回していたんです。
しかし、店舗は全国各地にあるため、移動に時間もかかることから、店舗によっては「数か月に一度しかエリアマネジャーが巡回できない」という悩みを抱えていました。各店舗の店長からも「エリアマネジャーが来るまでに、人材教育や売り上げ管理などの共有事項が蓄積してしまう」という声が届いていたんです。
この課題を解消するため「支店制度」を導入し、全国各所に支店を立ち上げ、本部に集中していた店舗運営業務を各々に分散させました。同時に、従来の「ブランド」ごとの管理を取りやめ、「施設」ごとにエリアマネジャーが管理することにしたんです。
2016年に九州でトライアルを行ったうえで、2017年10月に全国に支店を立ち上げました。
── アダストリアが運営するブランドが入っているショッピングモールなどの施設ごとに、各支店に配属されているエリアマネジャーがつくということですか?
佐田さん:
そうです。現在、アダストリアは約30ブランド、国内に約1300の店舗展開をしていて、たとえばイオンモールの中に、アダストリアのブランドが5ブランド入っていたとしたら、その施設担当のエリアマネジャーが5つのブランド担当として巡回し、採用面接や店舗の状況の確認、在庫管理、スタッフとの面談などを行います。
── 導入してから感じるメリット、デメリットを教えてください。
佐田さん:
エリアマネジャーも、その地域に住んでいる人を採用しているので、巡回は毎日でも行けるようになり、スタッフの悩みやお店の状況を細やかにフォローできるようになりました。エリアマネジャーの巡回が頻繁になったことで、「自分たちのことをちゃんと見てくれているんだな」というスタッフからの安心感も伝わってきています。
デメリットとしては、導入当初、ブランドと支店間での連携がうまく取れず、課題として挙げられていましたが、時間をかけて検討と改善を繰り返し、スムーズな連携が取れるようになりました。