共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

システムインテグレーション事業を行うLASSIC。お客様先に常駐するエンジニアがお客様と開発拠点との橋渡し役となることで、従来はアウトソースが難しかった各部署との調整や、運用業務、開発業務のアウトソースを可能にしています。「まるで自社社員のように」クライアントに寄り添ってシステムの仕事を請け負う、それがLASSICの強みです。

 

LASSICには、事業と同じように社員に寄り添う制度があります。それは「らしく提案制度」と「ブラザー・シスター制度」。広報の鈴木さんに話を伺いました。

従業員と組織の“らしく”を実現する「らしく提案制度」

制度名称:らしく提案制度 導入開始日:  2015年10月から実施中 対象者:全従業員(アルバイト・パート含む) 

 

制度名称:ブラザー・シスター制度 導入開始日: 2013年4月から実施中 対象者:新卒入社社員 

 

株式会社LASSIC 広報部 鈴木かなほさん

2014年10月に株式会社LASSIC入社。マーケティング部所所属、営業職、営業サポート職、採用担当を経て、現職の広報に着任。2019年男児を出産。「在宅勤務トライアル制度」を利用し、フルリモートワークを実践中。

 

 

——LASSICには、社員が業務改善を提案することを推進する制度があると伺いました。どういった目的で導入されたのでしょうか。

 

鈴木さん(LASSIC):

「らしく提案制度」といって、従業員の経営参画意識を向上させることを目的にした制度です。

 

LASSICでは“「らしく」の実現をサポートする” を企業理念として掲げています。従業員一人ひとりが自分らしく輝ける環境づくりを目指したもので、その結果、よりいっそうお客様の「らしく」の実現を支援する組織として、社会に貢献していくという思いを込めています。

 

「らしく提案制度」は、社員自身が業務改善を提案することで、顧客サービスの向上や従業員の満足度を高めることを目指します。こうした職場風土は、企業理念・経営理念・経営目標の実現のために欠かせないものだとLASSICでは考えています。

 

社員が提案できる内容や範囲の制限はなく、提出された提案書は査定基準にのっとって審査され、採用可否を判断しています。高く評価された提案は、表彰もしています。

 

——役員ではない社員であっても、業務改善を通じて経営の提案ができるのですね!そんな「らしく提案制度」はどのように始まったのでしょうか。

 

鈴木さん(LASSIC):

2014年から3か年計画としてバックオフィス部門による社内改善活動が実施され、その一環として計画の2年目に制定・導入されました。

 

その後、多くの提案が挙がって、たとえば「全社朝会をストリーミング配信する」といったアイデアが実現されました。それまでは、お客様のもとで業務を行っていたり家庭の事情で時短勤務していたりと、全社朝会への参加が難しいメンバーに対して、経営意思や社内事項の共有が難しいといった課題があったんです。でも、この提案が実現されたことで後日、各自が動画で情報をキャッチアップできるようになりました。また、コロナ禍ではコミュニケーションの場でも活用しながら改良を重ねています。

 

 

——状況に合わせて進化しているのですね。この「らしく提案制度」を導入してから、どのような効果を感じていますか?

 

鈴木さん(LASSIC):

社内コミュニケーションが良好になり、職場が活性化しました。上層部では考えつかないアイデアを発掘でき、業務生産性の向上もできました。結果として、社員が会社に対してさまざまな提案をしやすい風土の醸成につながっていると感じています。

 

——実際に「らしく提案制度」を利用した社員の反応はいかがでしょうか?

 

鈴木さん(LASSIC):

「会社が積極的に意見を求めてくれていると感じられ、声を上げることができた」という感想が出ています。これまでは業務改善のアイデアがあっても、自発的な進言には躊躇してしまう社員も多かったようです。

 

そのほか、「経営陣はほとんど男性という状況のなか、女性目線の要望も取り入れられ、男女関係なく業務のしやすい環境が整ってきた」、「LASSICをより良くしていきたい、貢献したいという気持ちが強まった」という声もあります。自分の意見を提案できる場や機会があることで、そう思ってもらえるのは嬉しいですね。

先輩社員が身近な相談相手に。「ブラザー・シスター制度」

——先輩社員が新卒の新入社員をサポートする制度もあるそうですね。どのような内容なのでしょうか。

 

鈴木さん(LASSIC):

先輩社員がブラザー・シスターとなって、新卒の新入社員に仕事の進め方や仕事に対する心構えを指導するものです。ブラザー・シスターを担う社員には専用の研修が設けられ、事前に育成の目的やミッション、指導時のポイントなどを理解したうえで、新人の成長を促します。

 

比較的年齢の近い社員が担当することで、入社間もない新入社員が不安や悩みを相談しやすい環境を作っています。業務の相談だけではなく、職場の人間関係などのメンタル面もフォローしていきます。

 

 

——直属の上司に相談して良いのか迷ってしまうような悩みも、身近な先輩社員に聞けるのですね。この制度が始まった背景にはどんなきっかけがあったのでしょうか。

 

鈴木さん(LASSIC):

当社は鳥取発の企業でして、東京一極集中の経済活動を分散し、場所に依存しないサービス提供の実現にこだわってまいりました。そのためにはまず、大都市圏以上に優秀な人材を育成する必要があるという考えのもと、よりいっそう人材育成に注力するために取り入れました。

 

——「ブラザー・シスター制度」を導入してから、どのような効果を感じていますか?

 

鈴木さん(LASSIC):

新卒社員の育成を効率化できています。今までは育成に1年半~3年程度かかっていましたが、10か月にまで短縮できました。また、新人のメンタル面に異変があった時に、早期に察知・サポートできるようになりました。ブラザー・シスターを担当する社員にとっても、模範役として自身の業務効率を見直すきっかけになるなど、相乗効果が得られています。

 

——何かあっても早めに対応できることで、メンタル面の問題もスムーズに解決できそうですね。「ブラザー・シスター制度」を利用している社員の声を聞かせてください。

 

鈴木さん(LASSIC):

仕事面においては、「定期的な面談など自分と似た経験・悩みを持っていた先輩の実体験エピソードを聞けたことで、モチベーション維持や今後の対応の参考になった」、「業務の手本となる考え方・動き方を日々間近で見ることができ、必要なスキルを効率的に身に着けることができた」などの声が出ています。

 

仕事以外にも、「指導役のシスターがいることで、女性ならではの悩みも気軽に相談することができて安心できた」という感想も寄せられています。

 

——新卒の社員にとって安心を得られる制度になっているのですね。では、各制度において、今後は何が課題になってくるとお考えでしょうか。

 

鈴木さん(LASSIC):

「らしく提案制度」を通じて、社内改善活動が活発になりました。その結果、「らしく提案制度」を利用せずにアイデアが出てくる機会も増えています。今後は、より社員が提案しやすくなるように、本制度の位置づけを最適化していきたいですね。

 

「ブラザー・シスター制度」については、テレワーク・リモートワーク環境下での実施を仕組みとして確立させていく必要があります。導入当初、拠点は鳥取と東京のみでしたが、現在では12か所に拡大され、新卒入社の社員数も前年比2倍以上に増加しています。スケールに順応した運営体制強化や制度の改善を図っていきたいと考えています。

 

 

経営陣でなくても、提案できる、経営参画できる。「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」で評価してもらえる。上層部だけでは思いつかない案も採決していく。そこにLASSICの公平さを感じました。全国的な展開を広げている LASSIC のこれからもさらに進化し続けるのでしょう。

【会社概要】

社名:株式会社LASSIC (ラシック)

従業員数:全従業員(アルバイト・パート含む) 171名

設立年月日:2006年12月26日

業種:システムインテグレーション事業

事業内容:システムインテグレーション事業、リモートワークに特化したエージェント事業、地域イノベーション支援事業、感情解析研究開発事業

 

取材・文/川口香織(mugichocolate株式会社)