高級アイスには余計なもの入ってないから!の義母理論
息子が産まれてからの義父母の孫フィーバーは恐るべきものでした。私たち夫婦は歳の差婚で、夫の兄も独身のため、義父母にとっては待ちに待った初孫。
周りの友人たちがとっくに幾人もの孫に恵まれ楽しそうにしているのを、指をくわえて長年待っていたところにようやく生まれたのが息子です。
義父母の初孫への溺愛たるや…完全なる庶民の出のくせに、息子はまるで王子様のような可愛がられっぷりでした。
私の実家が自営業で多忙なため、産後はまだ同居していなかった義実家に1か月ほどお世話になりました。その準備段階で、すでに義父母のテンションは最高潮。
必要なものは持っていくから、とくに何も新しく買う必要はないと、くどいほど念を押したにも関わらず、産前からどんどん増えていく赤ちゃん用布団、おもちゃ、スイングラック、義父の車用チャイルドシート、哺乳瓶にベビー食器…
産まれる前でさえこの調子なのですから、息子の誕生後、孫フィーバーはエスカレートする一方。
「あんまり祖父母が育児に口を出しちゃいけないわよね、今は親の意見を尊重しないといけない時代だから」と、口ではよく言うのです。
しかし気が付けばどんどん増えていくのです…謎の昭和センスの子ども服(大きく新幹線の写真がプリントされ、その下に堂々と「SHINKANSEN」と書かれたトレーナーのインパクトは未だに忘れられません)、勝手に与えられるおやつ、子ども向けDVD、買い物に出掛けるたびに握って帰ってくる新しいミニカー、いつの間にか6畳間いっぱいのおもちゃの電車のレール…
嫁の苦言をポジティブ変換する陽気な義母
いい加減にして!!と叫びたくなったことも1度や2度ではありません。
しかし曲りなりにもここまで同居を続けてこられたのは、私が苦言を呈すると、義父母はそれなりにちゃんと聞き届けてくれるからです。
それなりに、というのがポイントなのですが…たとえば、
- 服はできれば自分で選びたいとお願いする→スタイやタオルならいいよね!と大量に買ってくれる
- DVDは見せると止まらなくなるから買いたくないとお願いする→これはおもちゃのおまけだから!(小さなキャラクターのおもちゃが付いたDVDBOXを買ってくる。本来はおもちゃの方がおまけ。)
- まだアイスクリームは食べさせませんから→ハーゲン〇ッツには余計な成分が入ってないから大丈夫だから!と勝手に与えられる
- あんまり次々に新しいおもちゃを買うのは…→これは息子君ではなくて義父の趣味だから!(毎週どんどん増えるおもちゃの電車)
などなど…あれ…こうやって書いてみると、私の願い、全然聞き届けられていませんね…十数年越しに改めて腹が立ってきましたよ…?もっと怒って当時の私!!
そんな義父母との同居を私がどうやってサバイブしてきたか、そして成長した子供たちと家族の間に生まれる新しい問題などなど…これからどんどん綴っていこうと思います。これからもどうぞお楽しみに!
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文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ