出勤や外出時に日向側を歩くだけで睡眠力がアップ!
西川さん:
いい眠りを得ようとすると、寝る前に何かをしようと考える方が多いのですが、実は睡眠の質は“日中の過ごし方”がカギを握っています。
よく言われることですが、朝起きたらまずカーテンや窓を開け、太陽の日差しをしっかりと浴びましょう。窓ガラスを通さずに直接眼球の網膜に光を届けることがポイントです
(太陽の直視は危険なので避けてください)。これと朝食をとることで1日の体内時計がリセットされ、夜の眠りの質が高まります。また、太陽の光を浴びると、セロトニンというホルモンが分泌されます。セロトニンは精神を安定させて幸せな気持ちにする働きがありますが、このホルモンのすごいところは、夕方以降になると睡眠ホルモンであるメラトニンに変化するところ。メラトニンの分泌が下がる35歳以上の女性は特に必要不可欠なホルモンなんです。
——セロトニンが、加齢による睡眠の質の低下を補ってくれるということですね。セロトニンはどうしたら分泌されるのでしょうか?
西川さん:
セロトニンは5分以上太陽の光を浴びることで分泌されるので、通勤や買い物へ出かける時間は、セロトニンを分泌させる絶好のチャンスです。日焼け止めを塗ってもかまわないので、外に出たらなるべく日差しが当たる場所を歩きましょう。
また、歩きながら一緒に行ってほしいのが、「三呼一吸法」と呼ばれる呼吸法。やり方はとっても簡単で、「フッフッ」と鼻から2回息を吐き、3回目で「フーッ」と長く息を吐ききったら、自然に鼻から大きく1回息を吸います。
通常、私たちは横隔膜を動かして呼吸をしているのですが、「三呼一吸法」は腹筋をリズミカルに動かすのが特徴です。セロトニンは一定の時間同じことを繰り返す「リズム運動」をすると分泌されるので、腹筋のリズム運動であるこの呼吸法を行うことで、セロトニンの分泌量がアップします。
——繰り返し行われるリズム運動が重要なんですね。
西川さん:
歩くことも歩行を繰り返すリズム運動なので、Wのリズム運動でセロトニンがどんどん分泌されるというわけです。太陽の日差しも浴びれば、トリプルでセロトニンが出ますね。最初は5分からはじめ、慣れてきたら20〜30分くらいを目安にしてください。ハミングや鼻歌でも同様の効果を得ることができるので、鼻歌を歌いながら家事をしたりするのもいいですね。
西川さん:
また、手軽にできておすすめなのが、ガムをかむこと。実はかむというのも咀嚼のリズム運動になるので、かみ続けることでセロトニンが分泌されます。私は粒ガムをまとめて2~3個まとめて口に入れ、ガムが小さくなってきたら追加しています。「三呼一吸法」と同様、最低5分、20〜30分を目安にかみ続けましょう。