ハリウッド映画に多大な影響を与えてきた伝説の小説「夏への扉」(著:ロバート・A・ハインライン)。発表から60年以上経つ、今でも色あせない本書が世界初の映画化となり、主演を山﨑賢人が務めます。
『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』
罠にはめられた科学者が30年の冷凍睡眠から目覚める
将来を期待される科学者の高倉宗一郎(山﨑)は、亡き養父・松下の会社で研究に没頭していました。ずっと孤独だった宗一郎は、自分を慕ってくれる松下の娘・璃子(清原果耶)と愛猫ピートを、家族のように大切に思っていました。しかし、研究の完成を目前に控えながら、宗一郎は罠にはめられ、冷凍睡眠させられてしまいます。
目を覚ますと、そこは30年後の2025年の東京。宗一郎は、研究もピートも、すべてを失い、璃子が謎の死を遂げていたことを知るのです。愕然とする宗一郎でしたが、人間そっくりなヒューマノイドロボット(藤木直人)の力を借り、未来を変えるために動き出します。璃子を絶対救うという、信念とともにーー。
主題歌はLiSA書き下ろし楽曲「サプライズ」
本作を彩る主題歌には、大ヒット中の映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』主題歌「炎」を耳にしない日はない、LiSAの書き下ろし楽曲「サプライズ」。璃子を救うため、そして璃子との未来を取り戻すために30年の時を超えて奔走する宗一郎の背中を押すような力強い楽曲となっています。
LiSAが実写映画の主題歌を担当するのは本作が初めて。本作を観て歌詞を書き下ろしたというLiSAは「そばにあるものの大切さと尊さを感じることができる私たちの心に、予想を超えて寄り添える”サプライズ”のような歌になればと願います」とコメント。大切な人を取り戻すため、30年の時空を超えた天才科学者のスペクタクルな冒険、さらに物語を彩る主題歌にも注目です!
久しぶりのピュアな恋愛映画は恥ずかしかった!?
完成報告会イベントには、山﨑賢人さん、清原果耶さん、藤木直人さん、三木孝浩監督が登壇。実は、山﨑さんの初主演作、そして清原さんの映画デビュー作が三木監督作品だったそう。山﨑さんが大好きなSF作品で三木監督との久しぶりのタッグにワクワクしていたことを明かすと、「いろいろな主演作を重ねる一方で、良い意味での青臭さやピュアさを失わないところが宗一郎という役にぴったりでとても素敵に演じてくれました」と絶賛していました。
ヒューマノイドロボット役の藤木さんが「ロボット役と聞いてとてもびっくりしました。ハードルが高いと思って、一度お断りしました(笑)」とオファー時の裏話を明かすと、「初耳です!」と三木監督が驚く場面もありました。
久しぶりの純愛映画に出演したという山﨑さんは「今までピュアな恋愛映画はたくさん出演してきたつもりだったのですが、久々にやると恥ずかしいという気持ちになりました」と照れながら撮影を振り返っていました。
作中で名演技を披露する宗一郎のパートナーである猫のピート。山﨑さんは「現場に猫がいるだけで、とても癒されました。今回は猫の気を引きつつ、自分も演技をしなくてはいけなかったのですが、我ながら器用なことをやっているなと思いました」と胸を張り、満足の表情を浮かべていました。
レトロな中にもフレッシュさがあり、ロボットが溢れる世界が舞台としながらも、人間の温かみが感じられるとても不思議な作品です。
文/タナカシノブ