遊びながら学べる「エデュテイメント」が理想!
「逆象形文字カード」のお陰で、娘さんは3歳で、ほぼひらがなが読めるようになりました。しかし高橋さんは、早く覚えさせるためにカードを作ったわけではないと言います。最も大事なのは、娘さんが「遊んでいる」こと。
「『学び』のキーワードとして、『エデュテイメント』という考え方があります。これは遊び(エンターテインメント)と学び(エデュケーション)を合致させた概念で、いわば、遊んでいたら覚えていた状態を目指すものです。我が家では『逆象形文字カード』を使って、エデュテイメントを体現していますね」
娘さんが高橋さんに教える「ごっこ遊び」に
逆象形文字カードは、たとえば「『あ』はどれ?」と聞かれたら「あ」のカードを探すという遊びです。それを普通に取るのではなく、娘さんがお姉さん役、高橋さんが出来の悪い弟役になって、お姉さんが弟に文字を教える想定で遊んでいるそうです。
「娘が僕に『“あ”はどれ?』と聞くので、僕は『わからないでちゅ~』と答える。すると娘が『これでしょ!』と教えてくれる。僕は『お姉ちゃん、しゅごいでちゅ~』と答えるんです。娘も楽しいけど僕もすごく楽しい。この遊びは今、僕と娘の間で大流行しています」
大人の「勉強させたい」意図が透けて見えるとダメ
高橋さんの持論は、「エデュテイメントは、100%遊びでなければならない」ということ。子どもは少しでも“勉強くささ”を感じると敏感に察知し、すぐにつまらなくなり興味をなくしてしまいます。
逆象形文字カードは娘さんが積極的に遊びたい遊びとなっており、楽しんでいるうちに素早く自然にひらがなを覚えられ、理想的なエデュテイメント玩具です。
「逆象形文字カード」はダウンロードできます!
高橋さんが作った「逆象形文字カード」は画像データで配布しているので、プリントアウトして使うことができます( https://twitter.com/simpeiidea/status/1263575353676582912 )
高橋さんのカードを参考に、親子で一緒にオリジナルバージョンを作るのもおすすめ。50音全部でなくても一部を入れ替えるだけでもいいんです。作るプロセス自体が楽しく学べるエデュテイメントになりますね。
PROFILE 高橋晋平さん
株式会社ウサギ代表取締役/おもちゃクリエーター 2004年株式会社バンダイに入社し、国内外で大ヒットした「∞(むげん)プチプチ」など、50点以上の新規玩具の企画開発に携わる。現在はおもちゃ・ゲームなどの遊び系事業を各種企業と共同開発している。また、アイデア発想に関する講座を全国各地やオンラインで多数実施。著書も多数。Twitter:https://twitter.com/simpeiidea
文/長根典子