新型コロナウイルスの影響により激動の一年となった今年、社会全体で最もフォーカスされているキーワードといえば「サスティナブル(=持続可能な)」。
化粧品業界でも、パッケージや使う原料を環境に負荷をかけないものに変えたり、ジェンダーレスを意識したり…といった様々なアプローチにより、社会的に持続可能な取り組みを行うムーブメントが起きています。
オーガニックコスメだけでなく、化粧品業界全体が「サスティナブル」な方向へ舵を切っており、今後、製品を選ぶ上でも重要なポイントになるでしょう。
そんな背景を踏まえ、今回から注目の「サスティナブル・ブランド」とその取り組みについて、ご紹介していきたいと思います。
広大な自社ファームで植物を栽培し、エキス工房でじっくり熟成
最初にご紹介するのは、北海道の旭川の広大な自然の中に自社の“ルナ・ファーム”を持っているメゾンレクシアのスキンケアラインブランド「オラクル」。恵まれた北の大地で植物を栽培し、栄養分をたっぷり含んだ植物エキスから化粧品を作っています。
植物を漬け込んだ瓶をエキス工房で並べ、30日から90日かけて熟成。その期間、職人が毎日ゆりかごを揺らすように瓶を揺らすのだそう。そこで抽出したエネルギーいっぱいのエキスを、独自の処方で仕上げます。
2001年創業当初から、このように植物から濃密なエキスを作り、製品に配合し、手仕事で製品を仕上げています。
原料の栽培から熟成、製造まで自社一貫で丁寧に製品作りを手がけ、本当に必要な人へ届けるのが、「オラクル」のこだわり。全ての原料を北海道でまかなっているわけではありませんが、できるだけ自社ファーム育ちの植物のエキスを使用しています。
広大なルナ・ファームが自慢!大自然の恵みを必要な分だけ
自社ファームを開拓し、原料となる植物を大切に育て、大量生産を行わない方針の「オラクル」は、起業当初からサスティナブルな視点で化粧品を製造してきました。自然をそのまま生かした企業努力は、現在も継続して行われています。
加えて、動物実験は行わず、動物性油脂やパラベンなど動物由来成分は使わない、という開発者の強い想いから、今でもその姿勢を守り抜くというこだわりよう。さすが、のひと言です。
みずみずしい植物のエキスがギュッと詰まった化粧水が一番人気
ブランドの代表的なアイコンとなるのが、化粧水であるクラリファイング トナー。ダマスクローズやヒマワリエキス、ビワ葉エキス、ハマメリス水など、肌にうるおいやハリを与える濃密な植物成分を配合しています。
植物の恵みを身近に感じられる製品として、19年経った今でも、「オラクル」でNo.1の人気商品。少しとろみのあるテクスチャーで、スッと肌に浸透してうるおいで満たし、肌の内側からふっくらと整えてくれます。熟練の調香技術による、ふくよかな香りも格別!肌がエキスを含むと、化粧水なのにまるで美容液をつけたかのような効果を実感します。一度使うと、その心地よさが病みつきになってしまう1本です。
まだ「サスティナブル」という言葉すら聞かれなかった頃、植物エキスの詰まった工房の写真を見せていただいた時は本当に驚きました。その頃から、自然と共生しながら製品作りをしていたのだなと感じます。そのこだわりに、今の「サスティナブル」を重視する時代がようやく追いついたと言えるかもしれません。
文/久保直子 撮影(商品)/清永 洋