—— 好青年というイメージのヒロユキはどのようにキャラクターを作り上げたのでしょうか?
井上さん
「キャラクター作りとは何だ」というところからのスタートでした。警備組織E.G.I.Sに新入社員として入るヒロユキと、この業界に入ったほぼ新人の井上祐貴が一緒に成長できるようにと、(市野龍一)監督に言われてから肩の荷が軽くなったのを覚えています。その言葉を信じてクランクインしました。ヒロユキを演じるうえで、迷うことはとても多くありました。
—— どんな部分に迷いを感じていましたか?
井上さん
全部です(笑)。言葉ひとつひとつの言い方や、目力とか、本当にすべてです。「体を使って!」「リラックスして!」と言われても、当初は体をどうつかうのかもわからないし、リラックスなんてそう簡単にできるものでもありませんでした。ヒロユキのセリフや動きに共感できる部分も多くあったので、すりあわせながら、ひとつひとつ作り上げていきました。文字通り、ヒロユキとともに自身も成長してきたという感じです。
—— 一番大変だったことは何だったのでしょうか?
井上さん
リアクションです。「ここでビルが壊れます」「こんな怪獣が暴れています」と言われても、どんな風に壊れているのか実際に見えるわけではないので、演じるのがとても難しかったです。放送を観て「あ、こんなシーンだったんだ」と知ることも多くて(笑)。監督やスタッフさんがいろいろと説明してくれるのですが、言葉だけではなかなか想像しきれなくて、「リアクションが足りなかったかな」と思うこともしばしばありました。
—— 今は、想像するのが得意になりましたか?
井上さん
当初よりは断然できるようになったと思います。劇場版の撮影時に自分がやったリアクションのテンションが先輩たちと同じだったりすると、「一緒だ!」とうれしく感じることもありました。そういうときに、「成長できた」と感じました。