どうしても実物のハンコが必要な場合も…
“脱ハンコ”のメリットを取り上げましたが、問題点も指摘されています。
今年4月放送の『おはBiz』(NHK)では、“ハンコ文化”が特集され、今注目の「電子印鑑」を取り上げていました。電子印鑑とは、スマートフォンやパソコンなどを通じて印鑑を押せるという画期的なツールです。実際にIT企業のアステリア株式会社が電子印鑑を採用したところ、ほとんどの社員が在宅勤務可能に。しかし、一部の取引先との契約書には実物の印鑑が必要なので、定期的に数人の社員が出社しなくてはなりません。“脱ハンコ”は社内で完結させることはできますが、外部の人に利用できない場合もあるようです。
番組内では、ハンコ業界からの意見もピックアップ。全国印章業経営者協会の小林彰男代表幹事は「電子化そのものに反対ではない。ただお年寄りなどITに慣れていない人もいて、手続きに困る人が出てくるので、印鑑そのものも残すべき」とコメントしていました。
多くの企業が見直しを検討している“押印業務”。ハンコ文化だけでなく、業務の足かせになっている作業がなくなっていくといいですね。
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文/河井奈津