手塚治虫生誕90周年を記念して、息子・手塚眞が監督を務めた映画『ばるぼら』。稲垣吾郎×二階堂ふみが葛藤や欲求、さまざまな感情を生々しく体現し、現実離れした世界なのに現実を感じる、美しく幻想的な物語となっています。
映画『ばるぼら』
稲垣吾郎が人気小説家に!
人気小説家・美倉洋介(稲垣)が、東京・新宿の片隅でフーテンの少女ばるぼら(二階堂ふみ)と出会います。小説家として創作の苦悩を抱えていた美倉ですが、ばるぼらがいると不思議と原稿を書く手が動き出し、まるでミューズ(女神)のような存在に。
その一方で、美倉はエロティックで異常な幻覚に悩まされていきます。人気作家が謎の少女に惹かれた末に、身を滅ぼしていく……。原作は1973年から1974年にかけて連載された大人向け漫画で、実写化不可能と言われた作品です。カルト的人気を誇る傑作ですが、原作を知らなくても、いや、知らないほうが、美倉と同じように、どこからが現実でどこからが幻なのか、と不思議な世界観に入り込めるかもしれません。