7時間睡眠より、睡眠の質が大事
もうひとつ、睡眠の新常識といえるのが、睡眠時間について。これまでは「7~8時間以上寝るのがもっとも健康」「アンチエイジングにも効果的」といわれていましたが、その常識も変わりつつあります。
「7~8時間の睡眠がいいといわれてきたのは、長く寝るほどノンレム睡眠の時間が確保されやすいためです。でも先ほどお話した通り、睡眠にかかわる体内時計には個人差があります。 長く寝ないとすっきりしない人もいれば、短時間でも深く眠れる人もいるんです。まずは、自分にとってベストの睡眠時間を把握し、そのなかで眠りの質を高める工夫をしましょう」
(日比野先生)
日比野先生によると、休日に、目覚ましをかけずに起きたときの睡眠時間が〝ベストの睡眠時間〟とのこと。5時間程度でも、自然に目が覚めて疲れがとれたと感じるなら、それで問題ありません。
「私自身もショートスリーパーで、3時以降に寝て7時ごろ起きるのが、いつものパターンです。ベッドに入ってすぐにぐっすり眠れますし、昼休みや移動中などに短時間の昼寝をとっているから、私にとってはそれで十分。 〝続けて7時間寝る〟ことがマストではないんです。ただ、何時間寝てもすっきりしないという人もいますよね。そういう人は、睡眠の質を低下させている生活習慣を見直すことが肝心です。 お風呂に入るタイミング、部屋の環境、食事など、いつもの習慣を少し見直すだけでも、深い眠りが得られます。その結果、新たな細胞をつくり出す〝幹細胞〟も活性化し、肌や筋肉を若く保つといったアンチエイジング効果が期待できるんです」
(日比野先生)
次回は、毎日の生活ですぐできる、睡眠の質を高めるコツを紹介します。
文:川西雅子