「距骨

(きょこつ)」という骨をご存知でしょうか? 一般的にはあまり聞き慣れない名前だと思いますが、足首に位置して脚と足をつなぐ骨で、この骨が歪んだり傾いたりすることが、体調や睡眠に影響する可能性があるとされています。前後にある脂肪をしっかりもみほぐすのがポイントの「距骨マッサージ」について、理学療法士が解説します。

「距骨(きょこつ)」の歪み…体全体に影響する可能性

 

iStock/alex-mit

 

医学的には、足首からつま先部分を「足」、太ももからスネの下までを「脚」と呼び分けます。「距骨」は、足と脚を繋ぐ滑車のような働きをしており、人が立ったり歩いたりする動作に、重要な役割を果たしているのです。 家やビルなどの建物は、土台となる基礎が安定することによって、しっかりと建っていられます。基礎が崩れてしまうと、建物全体の歪みや傾きが生じてしまいます。 それと同じく足は、人の体で唯一地面と接している「体の土台」といえる部位。そのため、形が崩れたり不安定になったりすると、全身に悪影響を及ぼすことが考えられます。 なかでも距骨は、足と脚を繋ぐ滑車の役割を果たしている重要な役割を果たしている骨であり、体全体の土台を構成する大事なパーツなのです。 距骨が歪んでしまうと、土台が崩れて体全身の歪みが生じ、睡眠不良や体調不良など、さまざまな症状を引き起こす可能性があるのです。

 

iStock/spukkato

距骨をマッサージすべき理由

「距骨」は人体の骨のなかで唯一、筋肉が付着していない骨です。そのため筋肉による安定感が得られないため、歪みやいのが特徴といえます。 また、単純な運動やストレッチでは、傾きや歪みが修正しにくいもの。そのため、距骨の周りの組織を直接マッサージすることによって、動きや傾きを改善させる必要があるのです。