水分補給で脱水を防止しよう
●嘔吐による脱水を防止するためには、次のような市販される水分の摂取が望ましいといえます。
「経口補水液 OS-1®」(株式会社 大塚製薬工場)
「アクアライト ORS®」(アサヒグループ食品株式会社)
●下痢または嘔吐の際はつど、経口補水液を以下の量を目安に与えるようにしてください
(※1)。体重が10kg 未満:60〜120ml
体重が10kg以上:120〜240ml
嘔吐症状がおさまり、脱水症状が補正されて活気がでてくるようなら水分摂取量に特にこだわる必要はありません。。
原則として、嘔吐か下痢の症状出現後3〜4時間以内に飲ませはじめることを推奨します。まずは小さじ1杯(5ml)から開始し、5~10分ごとにごく少量ずつ増やして飲ませてください。 なおスポーツ飲料に関しては、上記の経口補水液が手に入らない、もしくは嫌がって飲むことができない場合に代用するようにしましょう。また海外では、りんごジュースを同量の水で希釈して飲ませることで、同様の効果が得られたという報告もあり、そちらも選択肢のひとつです
(※2)。授乳中の乳幼児では母乳を継続し、人工乳の場合は標準濃度
(13%)のものを与えるといいでしょう。
嘔吐症状を伴う疾患は多岐にわたるため、受診せずに自宅で経過観察をすることは、場合によって危険な判断となることも考えられます。 少しでも心配になったら、かかりつけのクリニックを受診することをおすすめします。
(※1)日本小児救急医学会診療ガイドライン作成委員会 (編)2017 小児急性胃腸炎診療ガイドライン2017年版.1-40.
(※2) Stephen B Freedman., 2016, Effect of Dilute Apple Juice and Preferred Fluids vs Electrolyte Maintenance Solution on Treatment Failure Among Children With Mild Gastroenteritis: A Randomized Clinical Trial, JAMA, 315 (18), 1966-74
文:小児科医 あきら