環境省の調査によると、日本人の約3割が花粉症に罹患しており、その原因の多くは「スギ花粉」とのこと(※1)。発症する人は年々増え、近年では非常に強い症状が現れて日常生活に支障をきたす「重症花粉症」が注目されています。シーズン到来を目前に、専門機関での治療の必要性などを説いた啓発も盛んな「重症花粉症」について詳しく解説します。
「重症花粉症」とはどの程度?
「重症花粉症」とは、その名の通り、鼻水・鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー症状が強い花粉症のことを指します。鼻アレルギー診療ガイドラインによれば、症状の程度は下記の4つによって、5段階に判定されます。
●1日に起こるくしゃみ発作の平均回数
●1日に鼻をかむ平均回数
●鼻づまりの程度
●日常生活の支障度
この結果のかけ合わせにより、重症度は下記の表のように分類されます。また各症状の出方によって、
●くしゃみ・鼻水症状が強い「くしゃみ・鼻漏型」
●鼻づまり症状が強い「鼻閉型」
●両者が同程度あらわれる「完全型」
の3つのタイプに分類されます。まずは、ご自身の花粉症の「重症度」と「型」を把握しましょう。
(引用:ノバルティスファーマ株式会社「重症花粉症ドットコム」)
なお、日本では「スギ花粉による花粉症患者の約7割が重症または最重症」との報告もあります。 重症以上の花粉症では、注意力・集中力の低下や慢性的な寝不足で、思わぬ事故やケガを引き起こす可能性もあり、注意しなければならない状態であるといえます。