GSMの治療・その1「女性ホルモン療法」
3大徴候のうち1つでもあてはまる人は、まず保湿と「ちつトレ」をしましょう。それでも症状が改善しない場合は、女性外来や婦人科を受診して診てもらってください。 おもな治療法としては、女性ホルモン療法(HRT)とレーザー治療があります。順に見ていきましょう。
iStock.com/AndreyCherkasov
女性ホルモン療法(HRT)
減少したエストロゲンを、飲み薬や貼り薬、塗り薬などで補う方法です。
<長所>●更年期障害にともなうホットフラッシュ(顔のほてり)、抑うつ気分なども改善される
●エストロゲンが増えることで、肌や髪が潤い、見た目の若さ、美しさも保てる
●骨が丈夫になり、骨粗しょう症の予防になる。歳をとっても背中が曲がりにくい
<短所>●乳がんや子宮がん、血栓症のリスクが高まるため、これらの病気の既往があるとおこなえない
●65歳以上の女性では動脈硬化が進み、血栓症のリスクが高いため、勧められない
●血中ホルモン濃度を高めるだけでは、デリケートゾーンにおける効果が十分に得られないことも
女性ホルモン療法は、世界的に多くの女性が受けている治療法。減ってしまったホルモンを増やすことで、デリケートゾーン以外の症状や悩みが改善され、性交痛などもなくなります。ただし乳がんなどのリスクが高まるという問題もあり、定期的ながん検診は必須です。 乳がんなどの既往がある人、既往はないもののリスクを避けたい人には、デリケートゾーンだけに少量の女性ホルモンを足す「局所ホルモン療法」がおすすめ。エストロゲンの一種である「エストラジオール」を含むクリームやオイルなどを、膣や外陰部に塗ります。