20~40代の若い女性に発症しやすい「子宮頸がん」は、主に性行為によって「ヒトパピローマウイルス」に感染することで引き起こされるがんです。 現在ではこのウイルスに対するワクチンが開発されており、日本でも2013年から予防接種が定期化されました。 しかし様々な副反応が見られたことから、一時的に積極的な接種が勧められなくなったという経緯があります。 そこで今回は、子宮頸がんワクチンの接種方法や受けるべきか否かの見解について詳しく解説します。
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「子宮頸がん」はどんな病気なのか
子宮頸がんは、子宮の入り口である「子宮頸部」の粘膜に発生します。 主な原因は性行為によって子宮頸部に「ヒトパピローマウイルス(HPV)」が感染すること。 感染したHPVは、子宮頸部に慢性的な炎症を引き起こし、やがてがんを作り出します。
「子宮頸がん」の患者数・死亡者数ともに増加
子宮頸がんは、女性のがんの中では乳がんに次いで2番目に多く、20~30代の若い方に多く見られます。 早期の段階ではほとんど自覚症状がないため、発見が遅れるケースも多く、年間3000人が子宮頸がんで命を落としています
(※1)。
子宮頸がんに対しては、HPVへの感染を予防するため、コンドームの装着や不特定多数との性行為を避けるなど、これまでも様々な注意喚起が行われてきました。 現在ではHPVの感染を予防できるワクチンも開発されており、先進国では性行為の経験を持つ前の女子に対して、積極的な接種を勧めることで患者数は減少傾向にあります。 しかし日本では、年間で10000人もが子宮頸がんに罹患し、患者数・死亡者数ともにその数は年々増加しています。