子どもに多い「溶連菌」も、症状が続くなら受診を
保育園、幼稚園などでもらってくることの多い「溶連菌」も、子どもの発熱の原因のひとつ。正確には「溶血性連鎖球菌」といって、健康な子どもも保菌していることが多い細菌です。
溶連菌感染症の特徴は、発熱だけでなく、のどの腫れや痛みをともなう点ですが、ウイルス感染であるかぜとの鑑別はむずかしいところ。熱やのどの症状でつらそうなときは、やはり小児科を受診します。
「3歳未満なら、抗生剤を使わなくても自然によくなりますし、子どもがいやがる検査をわざわざする必要もありません。
そのため多くは、溶連菌の可能性が高いかどうかを見たうえで、薬は使わずに対処します。
ただし3歳以上のお子さんでは、わりと元気そうにしていても、溶連菌がのどで繁殖し、感染を起こしている場合があります。
ほうっておくと、心臓に合併症を起こす〝リウマチ熱〟や、腎機能の障害を引き起こす〝糸球体腎炎〟になる可能性もあります。
こうした合併症を引き起こさないためにも、年長児の溶連菌感染症には、抗生剤での治療が必要です」(金子先生)
子どもの発熱の多くは、軽い感染症であり、家で休ませ、見守ってあげるだけでよくなっていきます。
ただし、「3か月未満はすぐ受診」「全身状態が悪いとき、症状が何日も続くときは受診」。
この2つさえ覚えておけば、急な発熱時でもあわてずにすみそうです。
文:川西雅子