だれかが怒っていると緊張したり、大きな音を立ててイライラしている人を見るとドキドキしたり。そんな経験はありませんか? そんなとき「私、何かした?」と、自分のせいのように思うのは「帰属エラー」を起こしている状態かもしれません。心が疲弊する前に、抜け出す方法を知りましょう。

 

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「帰属エラー」ってどういう状態?

 

心理用語で言う「帰属」とは、他人の行動や自分の行動、出来事の原因を説明する心の動きのこと。 つまり自分の中で「何のせいでこうなったか」と、原因を結論づける過程を指します。原因を何に結論づけるかは、人によってクセがあります。 例えば「忘れ物をした」という状況。原因を「自分に帰属」させる人は「自分がうっかりしていたからだ」と考えると思います。 これに対し、原因を「他人に帰属」させる人は「言ってくれないお母さんのせい」と考え、「環境に帰属」させる人は「今朝バタバタしていたから」と考えます。 このとき、本当は自分のせいなのに「他人が悪い」と考えたとすると、結論づけた「原因」が間違っているため、事実を曲解することになります。 このように「帰属する先を間違えて」いる現象を、心理学では「帰属エラー」と呼びます。