みんなで子育て、が当たり前の社会になってほしい

古谷野さん夫婦

 

──逆に、大変だったことってありますか?

 

謙太さん

夫婦喧嘩は増えましたね。これまでは何となく過ごせていたけれど、長く一緒にいるとそうはいかない。 原因は例えば、子どもが泣いたときにすぐ抱き上げるのか、少し様子を見てからにするのか、とか、そういう細かいことです。僕は少し様子を見ようというタイプなんですが、妻はすぐに対応したい。そういう対応の仕方や優先順位が違うと、もめます。

 

こえりさん

私はすぐ抱っこするのに夫は様子を見るから、結局私の方がお世話してるじゃん!ってなりましたね。喧嘩して家出をしたこともあります(笑) でも、そういうことを繰り返していくうちにパートナーシップが深まりました。相手の考え方が理解できて、ズレが合っていく感じです。

 

まりえさん

うちも同じです。これまで流せていたような、くすぶっていたようなことが、喧嘩になりますよね! あとは、思った以上にお金がかかるというのに驚きました。

 

──育児休業給付金は半年までが休業前の賃金の67%、7か月目からは50%。家族でいる時間が長いと使う機会も多いですもんね。

 

こえりさん

分かります!家族が揃っているので旅行に行ったり里帰りしたりする機会が増えるので、時間はあるけどお金はない、という状況になりますよね。余裕を持っておかないときついな、と思いました。

 

──凄く現実的なご意見で参考になります…!(笑)

今、旅行や里帰りの話が出ましたが、育休の取り方や過ごし方について、周りから「旅行に行くなんて」「同時にそんなに長く取らなくても」など、マイナスな言葉を投げかけられたことはありませんか?

 

一将さん

ありますね。「奥さんだけでできるだろ」とか、直接言われたこともあります。でも、そういう人に限って家事や育児をやってない。だからそういうことが言えるんだと思います。 仕事より育児の方が大変だし、夫婦同時に育休を取るのはある意味「楽をする」ためなんだから、いいじゃんって思いますね。

 

まりえさん

確かに、育休中に旅行に行ったりすることに関して、良く思わない人がいるのも感覚としては分かります。 でも私、ママになってからいろんなことをあきらめてきたんです。1人目の時はすごく大変で、自分の時間なんて取れなかった。何か言われても、もうこれ以上あきらめたくないという気持ちが強いです。 そして何より、日本のママはひとりで頑張りすぎています。もっと、たくさんの人の手を借りながら子育てをするのが当たり前、という社会になってほしいです。

 

謙太さん

妻が第1子出産後の育休中にインターンをやっていた時は、周りに「そういうことができるなら仕事すればいいのに」って言われたり、「なんで許してるの?」って言われたりしましたね。

 

こえりさん

「奥さん1人でできるだろ」って言われたら、できないことはないですよ。でもやりたくないし、そこまで追い詰められながら子育てしなきゃいけないの?と思います。 育休中の過ごし方をはじめ、「せねばならない」というようなことが多すぎるなって感じます。周りからのプレッシャーもあるし、自分が勝手に作っている考え方もあるんでしょうけど、それにがんじがらめになっているところがありますよね。

 

──確かに、いろんなところに配慮しすぎて、動きづらくなることってあると思います。