短時間の有給取得制度が父親を変える
子どものことで仕事を調整することに、「女性なら仕方ないけど男性は肩身が狭い」という感覚を持っている人も多いです。どうすれば男女が平等に、育児に関われるようになるのでしょうか?
熊谷市長
まず、男性に甘えがあるんじゃないでしょうか。職場の雰囲気のせいにしないで、自分が切り開いてほしいと思います。
一方で、職場の理解の問題もあります。男性が子育てのために早く仕事を切り上げたり有休をとったりすると、まるで仕事を軽視しているかのように思われるという。
それは上司のマネジメントも関わってきます。子育てだけではなく、メンバーの仕事の負荷の状況を確認して調整するのはまさに管理職の仕事です。
そういった意識を変えていくというのは難しいけれど大切ですよね。
では、子育てに関わりやすくするための施策として、今後進めていくべきものは何だと思いますか?
熊谷市長
これまでお話ししたような、継続的に育児に関わるということを実現するためには、有休を1-2時間単位で取得できるようにするのが効果的だと思います。
現在は8割の会社で有休は半日や一日単位でしか取れませんが、それこそ職場への影響を考えて取得しづらいですよね。それじゃあ子育てに長く関わるのは無理でしょう。
男性の育休義務化の議論がありますが、育休よりもこちらを一定以上の規模の企業は義務化した方がいいのではないでしょうか。子育て世代以外もワーク・ライフ・バランスを整えやすくなるはずです。
お母さんに負担が行きがちな子育て。お父さんも担いやすくするためには、「男性は休みづらい」「仕事を切り上げづらい」という意識の壁を超えることが必要なのかもしれません。
「『育休は若い世代の特権』に留めない次の手」では、千葉市で進めている男性の育児休業取得について、引き続き熊谷市長にインタビューしています!
PROFILE 千葉市長 熊谷俊人さん
取材・文/小西和香 写真/小林キユウ