男性も、迎えに行けないわけがない
継続的に関わるためには日々仕事の調整が不可欠です。市長は子育ての時間をつくるため、工夫したことはありますか?
熊谷市長
子どもが保育園に通っていたころは、妻とお互いの仕事の都合などを共有して話し合い、秘書課と相談して月に4-5回は16時に上がれる日をつくるようにしていました。
職員の話を聞いていて残念なのは、夫婦がどちらも同じようにフルタイムで働いていたとしても、保育所に迎えに行くのはほとんどが女性だということなんです。子どもが風邪をひいたときなど、早めに迎えに行かなければならない時に有休をとるのもほとんどが女性。ここを変えていかなければならないと思っています。
送り迎えをするお父さんは徐々に増えていると思いますが、やっぱりお母さんが担うことが多くなりがちですよね。特に迎えや突発的な対応はそうかもしれません。
熊谷市長
私は仕事への影響という意味でも子どもとの関わりという意味でも、送りと迎えは全然違うと考えています。なので「送るだけで満足せずに迎えに行った方がいい」と男性職員に言っているんです。
送る時はパッと保育士に預けておしまいのことが多く、ほとんど仕事に影響はありません。でも迎えに行くためには仕事を早めに終わらせる必要があり、自分の仕事人生を少なからず犠牲にしている面がありますよね。また、少しゆっくりと保育園での子供の様子を見て、保育士からその日の様子を聞くこともできます。
こういうことをやって初めて、育児に参画している、と言えるんじゃないでしょうか。
耳が痛いというお父さんが多そうです。
熊谷市長
男性も迎えに行けないわけがない、と私は思っています。もちろん突発的な場合は難しいこともあるでしょうけれど、通常のお迎えならできない理由がありません。だって、女性はやっているんですから。
男性もできるようにならない限り、男女共同参画社会の実現は難しいのではないでしょうか。