夏にはさまざまな鉄道イベントが行われます。その中で代表的なものは鉄道模型に関するイベントではないでしょうか。広いレイアウトを走り回る鉄道模型に子どもはじっと見つめているものです。今回は阪急百貨店・阪急うめだ本店で行われた「鉄道模型フェスティバル2019」をレポートします。

主役は30周年を迎える阪急電鉄8000系

阪急百貨店・阪急うめだ本店で行われている「鉄道模型フェスティバル」は関西でも規模の大きい鉄道模型イベントです。毎年夏に開催され、多くの子どもや鉄道ファンが訪れます。今回の主役はデビューから30周年を迎える阪急電鉄8000系でした。8000系は1989年(昭和64年)にデビュー。現在も神戸本線や宝塚本線を中心に主力級の活躍を続けています。

 

8000系の特集コーナーでは模型だけでなく、デビュー当時に販売されたと思われるパンフレットやきっぷもありました。これらの物品を見ますと同車に対する期待度の高さがよくわかります。また現在と異なり、前面窓の下に飾り帯が施されていました。

 

こちらがデビュー当時の8000系を再現した模型です。普段、私たちが目にするNゲージ(150分の1)よりも大きいので、細部にわたって観察できます。

 

デビュー当時はこのようなヘッドマークを掲げていました。現在では見られなくなった「Hマーク」もきちんと描かれています。

TOMIXのレイアウトにはさまざまな車両が走る

鉄道模型フェスティバルといえば巨大レイアウトをさまざまな車両が走り回るというシーンを思い浮かべることでしょう。「鉄道模型フェスティバル2019」では鉄道模型メーカのTOMIXがレイアウトを出展していました。それぞれのレイアウトはブロック式になっています。たとえば駅のブロックと村のブロックは切り離せる構造になっています。なお線路はNゲージ(150分の1)でした。

 

レイアウトにはさまざまな車両が走っていました。こちらは近畿日本鉄道(近鉄)の観光特急「しまかぜ」です。「しまかぜ」は大阪難波・京都・近鉄名古屋と伊勢志摩を結んでいます。実車も爽やかなリゾート特急ですが、模型の世界でも見事に再現。側面に描かれた細やかな塗装がたまりませんね。

 

JR北海道で活躍している733系が目の前を通り過ぎました。733系は新千歳空港と札幌を結ぶ快速「エアポート」などで活躍しています。関西では絶対に見られない列車だけに、次々と子どもが「あの車両は何?」と質問をしていました。

 

赤色の颯爽とした特急列車は小田急電鉄ロマンスカーの70000形です。2018年にデビューした新鋭の特急列車です。従来のロマンスカーを基本としつつ、Wi-Fiや「ゆったりトイレ」など現代のニーズに合わせた列車でもあります。TOMIXのレイアウトで1番目立っていました。

 

鉄道模型では現在活躍している車両だけでなく、引退した車両も走らすことができます。レイアウトでは2015年に廃止されたJR西日本の豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス」が走っていました。「トワイライトエクスプレス」は大阪と札幌を結び、長年にわたって日本一長い距離を走る列車として知られていました。「トワイライトエクスプレス」の精神は「トワイライトエクスプレス瑞風」に引き継がれています。レイアウトでは「トワイライトエクスプレス」のみでしたが、「瑞風」と一緒に走らすのもおもしろいと思います。

 

「トワイライトエクスプレス」を撮影していると、貨物列車が通り過ぎました。機関車は赤色ですから交流型もしくは交直両用型でしょうか。模型の世界でも貨物列車は少しだけスピードを落として運転されていました。

 

模型でも新幹線が持つ迫力を感じられます。H5系・E6系の併結列車が高速で通過します。新幹線は車体が長いですから、迫力やスピードを感じるには規模の大きなレイアウトが必要です。また高架線を走る新幹線車両と地平を走る在来線との立体交差も見逃せませんよ。

鉄道模型フェスティバルで記録を残すなら動画!

今回は写真でしたが、鉄道模型を楽しむ子どもを記録するなら絶対に動画がおすすめです。はっきり書くとレイアウトを走り回る模型の写真撮影はものすごく難しいです。なぜなら、モノが小さく意外と速いので、シャッタースピードが追いつきません。しかも屋内のため、シャッタースピードを上げると画面は暗くなります。動画ですとシャッタースピードを無視して撮影できるので、とても簡単です。ぜひ参考にしてください。

 

文・撮影/新田浩之