熱中症にならない!日ごろ気を付けるべきことまとめ
【基本】 水分補給をする
普段から経口補水液や赤ちゃん用イオン水を飲ませる必要はありません。ミネラルが含まれ、カフェインが入っていない麦茶が最適です。 朝昼晩のご飯の他に2回捕食(おやつ)を摂っているならば、そのタイミングで水分を必ず摂取しましょう。
もし麦茶が嫌いで飲まないならば、少し砂糖を入れてみたり、1歳頃からは薄めたカルピスなどを飲ませたりしてもいいでしょう。
【基本】服装に気を付ける
汗が体の表面から蒸発しない状態だと、体に1枚膜が張っているようなものなので体温が上がりやすくなります。 服が汗を吸う状態を保ち、空気が通るようにして汗が乾きやすい状態にしておきましょう。 小物を使い、体温が上がらないようにする工夫も必要です。
- 肌着を着用する
- 汗をかいたらこまめに着替える
- 速乾素材の服を取り入れる
- 汗を吸うように首にタオルを巻く
- 水で濡らして首に巻くと冷たさが持続するネッククーラーなど、便利な商品をうまく使う
- 外出時は帽子をかぶる
また、ポロシャツは暑そうだと思われがちですが、タオルを巻いているのと同じように首の汗を吸うので汗対策には効果的です。
【基本】冷房・扇風機を上手に使う
年々暑さが厳しくなっているので、ためらわずに冷房を使いましょう。 ただ、冷房も扇風機も、直接体に風が当たると低体温になる可能性があるので風向に気を付けること。 外出している間も、冷房の効いた建物の中に入って涼むなど、長時間外にいないようにしましょう。
【基本】食事・睡眠をきちんととる
生活リズムが乱れて疲れが取れないと熱中症になりやすいので、普段の生活を整えることが予防につながります。
- 遅くとも朝7時までには起こす
朝は子どもが起きるまで起こさない、という人もいますが、朝早く起きれば夜早く寝るようになり、良い生活リズムが作りやすくなります。
- 朝ごはんは必ず食べさせる
暑くて食欲がなければフルーツ入りヨーグルトなど食べやすいものでも構いません。
- 寝る直前にスマートフォンやテレビを見せないようにする
子どもはもちろんですが、親も質の良い睡眠をとらなければ疲れが取れず、子どもの異変に気付きにくくなってしまうかも。 質の良い睡眠をとるために、寝る前のスマートフォンは控えましょう。
【基本】子どもに合わせた予定を立てる
特に旅行など移動や外出が長時間になる時や、上のお子さんの運動会やイベントなどに乳幼児を連れて出かける時は要注意。 子どもが疲れすぎないよう、様子を見ながら行動するようにしましょう。
気を付けてる?シチュエーション別のポイント!
外遊び
基本的に正午から午後2時までの最も気温が上がる時間帯には行わないのが鉄則です。 日が昇り切っていない朝、または日が陰ってきた夕方に行いましょう。 どうしても日中に外遊びがしたいということならば、20分程が限度です。夕方また出かけるなど、小分けにしましょう。
ベビーカー
一般的なベビーカーの座面の高さは40〜60cmほど。 日よけがついていたとしても、アスファルトからの照り返しがかなり強く、サウナ状態になっています。 特に、密着している背中部分の汗は蒸発しないので皮膚の温度が下がりにくくなります。 座らせっぱなし、寝かせっぱなしにすることは避け、背中を触って汗でベタベタしていたら着替えさせましょう。
車内
車内は非常に高温になりやすく、短時間でも子どもを置いて離れるのは厳禁。 運転中は冷房がついているので熱中症にならないと思われがちですが、渋滞などにより4〜5時間ドライブが続いてしまうこともあります。 冷房がずっとかかっていることで乾燥が進み、それにより大人も脱水になることがあるので注意しましょう。
就寝時
パジャマの下にも肌着を着せ、汗をかいていたら着替えさせましょう。 暑そうに感じるかもしれませんが、肌着が汗を吸うことで快適な状態を保てます。 エアコンの設定温度は25〜28度ほど、大人が少し動くと汗ばむ程度に。湿度が低いと涼しく感じるので除湿機能を使うのもよいですね。 扇風機で風を回すようにするとより効果的です。お腹を冷やさないよう注意しましょう。 窓を開けて寝る場合は、防犯に気を配った上で、空気の通り道ができるよう2か所以上開けましょう。
夏本番は、大人でも厳しい暑さ。 体温調節機能が未熟な乳幼児のケアは、日ごろから気を抜かずに行いたいですね。
PROFILE 細部千晴先生
細部小児科クリニック院長。日本小児科学会小児科専門医。男の子2人の母でもある。「この1冊であんしん はじめての育児事典」(朝日新聞出版発行) に総監修として関わるなど、育児や子どもの病気に関する本の執筆・監修多数。地域医療や子育て支援にも力を入れており、クリニックに隣接して子育て支援広場「ポケットランド」を開設。遊び場として開放し、育児相談を受けたりやスキンケア・アレルギー講座を開いたりと積極的に活動している。
取材・文・撮影/小西和香