夫婦喧嘩といえば、言い争ったり怒鳴りあったり。お互いに自分の気持ちを相手にぶつけ、「理解してもらいたい」と思っているうちは、夫婦関係はまだまだマシな方ではないでしょうか。それよりも危険なのは、むしろ〝冷戦〟とも言える状態。表面上は静かに見えますが、相手への諦めや理解を放棄するように「黙りこむ夫」に苦しんでいる妻たちがいます。夫婦関係に終わりの予感を抱く、妻たちのお話です。
■これって、私が悪者なの?(香奈さん/36歳/事務員)
旦那はとても「優しくていい人」です。普段からあまりしゃべらない彼は、喧嘩をするとさらに口数が減って黙り込んでしまうんです。前からそこだけは嫌いだったのですが、先日ついに限界を迎えてしまいました。 その日は結婚記念日。家でお祝いしようと、数日前から「早く帰ってきてね!」と言っていたにもかかわらず、当日の夜になってなんの連絡もせずに、会社の同僚と飲みにいってしまったのです。 仕事を半休にして、はりきってごちそうを作ったのに…これには悲しくなってしまって。怒る私をよそに、旦那はいつものように黙りこくっています。黙っていては何を考えているか分からないし、怒っている方が馬鹿みたいな気分に。 私の口調はどんどん荒くなり、怒りのボルテージも最高潮。そのとき私は、自分の姿を客観視してしまったんです。黙って無抵抗な旦那に、集中砲火を浴びせる鬼嫁…これって、私が悪者なの? そう思ったらもう限界でした。この先も、同じことを繰り返すであろうことが耐えられず、私は離婚を決意しました。