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その地域の食材や名産をうまく利用して、風土にあった食べ物として作られているのが郷土料理です。


以前はその地域に行かなければ食べることができない料理でしたが、最近ではネットショップや流通が発達したおかげで、自宅でも気軽に取り寄せることが可能になりました。


とはいえ、やはりその土地の郷土料理は、足を運んでその場で食べたいと思うものですよね。今回はわざわざ足を運んでも食べたいと思う、全国各地の有名な郷土料理をご紹介します。

■北海道の三平汁

北海道には数多くの郷土料理がありますが、中でもご当地で食べたい料理が三平汁です。三平汁は北海道の寒い地域ならではの料理で、塩漬けした魚と、日持ちがする根菜を煮込んで作ります。


冷蔵庫のない時代に魚を長期間保存するため、北海道でよく獲れる鮭や鱈、ニシンなどを塩漬けにし、大根やジャガイモなど、北海道で収穫される保存のきく野菜と一緒に煮込み、魚の塩味だけで食べます。


気温の低い北海道ならではの料理で、特に冷え込む日はお腹の中から体を温めてくれる、北海道の定番料理です。

■山形県の芋煮

秋になると、芋煮会何回やった?という挨拶を交わすようになる山形県。家族や友人、職場の仲間や町内会など、さまざまなコミュニティで芋煮会は行われています。


芋煮会に参加する平均回数は1人あたり3回ほどで、いかに山形県民が芋煮会をこよなく愛しているかが分かります。


山形県の芋煮は江戸時代に船頭がボウダラと里芋を甘辛く煮て食べ始めたのが発祥といわれており、明治になって魚から牛肉に変わり、現在のスタイルとなりました。


醤油とお酒、お砂糖と水を入れるだけの簡単な料理ですが、大きな鍋でたくさんの量を煮込むので、家庭では味わえないおいしさを楽しめます。


山形県では日本一の芋煮会を行っており、なんと3万人分もの芋煮を作るそうです。牛肉を使った芋煮が多いですが、それ以外にも豚肉や鶏肉を使ったり、みそ味などもあるようです。

■東京都の深川めし

郷土料理というと地方の名物に思えますが、東京にもちゃんと郷土料理は存在します。東京には深川めしという郷土料理があります。


深川めしはその昔、江戸時代に漁師町として栄えていた深川で、たくさん獲れたあさりをみそ汁に入れて、ネギと一緒にご飯にぶっかけて食べるご飯として、深川名物となっていました。


時代の流れとともに深川も埋め立てが進み、海がなくなってしまったことで一度は消えてしまいましたが、郷土料理を復活させようと地元住民が試行錯誤し、深川めしは日の目を見るようになりました。


あさりを炊き込んだご飯も深川めしと呼ばれますが、大工さんなどの職人がお弁当として持っていくために誕生したといわれています。

■神奈川県の海軍カレー

日本のカレーのルーツともいわれる神奈川県の海軍カレー。明治初頭に海軍で作られた食事が広まり、現在に至っているともいわれています。


横須賀市は海軍ゆかりの街であることから、カレーの街とも呼ばれています。平成に入り、自治体と海上自衛隊が協力し、カレーによる街おこしを始めました。


横須賀市では明治時代のカレーを復活させるために当時のレシピを再現し、市内のいろいろな店舗でよこすか海軍カレーを提供されています。


海上自衛隊は海上勤務のときは毎週金曜日にカレーを食べる習慣があり、それが他の部署にも広まり、今ではすべての部署の金曜日のメニューがカレーになっています。


そのことから横須賀市では金曜日はカレーの日を設けており、カレーを食べることを推奨しています。