祖母はわずかな年金で食費を切り詰めて

神代ちよみ
自助グループの地区委員会にて

── その状態から、どうやってお酒を辞めることができたのでしょうか?

 

神代さん:ある朝、いつものようにコンビニで500mlのビールを6本買って、家に戻りながら1本飲もうとしたんです。缶ビールを開けようとしたときに偶然、前から車を運転する父の姿が見えて、持っていたビニールをサッと後ろに隠し、そのまま家に帰りました。

 

いつもだったら帰宅後すぐに2本目を開けるんですが、「待てよ、今日は9時まで酒を飲まずにもったな」と気づいて。ここで飲まなければ、今日はお酒を我慢できるかもしれないと思いつつ「でも飲みたい」と葛藤が始まりました。とりあえず、ビールじゃないもので喉を潤そうと冷蔵庫を開けると、中に入っていたのは賞味期限切れの豆腐や割れかけた卵、飲みかけの紙パックのリンゴジュースだけでした。それは祖母が自分のわずかな年金で購入した、生きるための食べ物だったんです。

 

その瞬間「年老いた祖母が必死に暮らしているなかで、もうすぐ30歳になろうとしている自分はいったい何をやっているんだ」と、自分で自分が許せなくなりました。それから買ってきたビール6本をすべて捨てました。