女性の依頼者は女性弁護士を求め仕事が殺到

── 2025年時点で、人口1人あたりの弁護士数は東京都の614人に対して、大分県は6739人と約10倍の開きがあります。2026年の女性弁護士比率は東京、大阪、福岡など大都市圏では2割ですが、大分では13%の約20名です。

 

平松さん:出産や子育てで休む人もいるので、体感値では稼働している大分県の女性弁護士比率はもっと低く、その半分くらいに思えます。そもそも、大学に法学部がない地方もあり、地方では弁護士になる人が少ない構造的な問題もあります。弁護士は全国に4万人以上いますが、その約3分の2が東京や大阪、名古屋の大都市に集中しているんです。大分県の弁護士は約160名、みんな顔見知りです。

 

平松まゆき
司法試験受験の勉強時には疲れて眠りこむ平松さん、机には栄養ドリンクが並ぶ

── 大都市と地方ではずいぶんと事情が異なるんですね。弁護士として活動されて10年、どのような依頼が多いのでしょうか?

 

平松さん:9割が女性からの依頼です。案件の半分は離婚で、DV、セクハラ、離婚、交通事故、遺産分割なども多いですね。DVや性被害案件でなくても、女性は女性弁護士に相談したい方がほとんどです。「(イメージで)男性弁護士は怖いので、女性がいい」と、よく言われます。私もなるべく引き受けたいのですが、県内の弁護士160名中、1割しかいない女性弁護士に依頼が集中するのでかなり忙しく、ときには断らざるを得ないケースもあります。

 

── DVやセクハラ、離婚関連では、心に傷を負っている依頼者も多いのでは?

 

平松さん:傷ついている人もいらっしゃるので、話をする際、言葉を選ぶようには心がけています。事件として成り立たない場合でも、話すだけで「気持ちが楽になった」と言って、帰っていかれる方もいます。「依頼者側に有利な判決にはならない」「判決が出ても実際には損害を取り戻す術がない」という案件でも、最初から「これはムリです」と、伝えないようにしています。

 

とはいえ、依頼者に期待だけさせてもいけないので、タイミングを見計らって、どうするべきかを話します。