現役引退し第二の道へ。父は最後に背中を押した
── 選手としてのキャリアに区切りをつけた後、圭悟さんが選んだのはYouTubeの世界でした。当時、サッカー選手のセカンドキャリアとしてはまだ珍しい選択だったと思います。なにか勝算があったのでしょうか。
森保さん:海外でプレーしていた頃は自由な時間も多く、YouTubeをよく観ていたんです。テレビの番組が多くのスタッフで作り込まれるのに対し、YouTubeは企画から発信まで自分たちですべて決められる。その自由度に面白さを感じました。当時はまだ、プロの世界を経験した人が本格的に配信するサッカー系チャンネルは多くはありませんでした。だからこそ、自分の経験や感覚を活かしていけば勝負できる余地はあるんじゃないか。そんな根拠のない自信があったんです。
── YouTuberに転身するという決断をお父さんである森保監督に明かしたとき、どんな反応をされましたか。
森保さん:サッカーを辞めてYouTube配信を始めると話したときは「本当に大丈夫なのか」と、何度も言われました。ただ、親父はもともと「自分のケツは自分で拭け」というスタンスなので、最終的には「そう決めたのなら頑張れ」と背中を押してくれました。ただ、冗談交じりに「福利厚生のしっかりした会社に就職したほうがラクだぞ」とも。あえてそういう選択肢を示すことで、僕の覚悟が本物かどうかを確かめていたんだと思います。
── その後、高校時代の仲間とYouTubeチャンネルを始めます。ところが、現実はそう甘くなかった。最初の2年ほどは再生数が伸びず、アルバイトを掛け持ちする生活が続いたそうですね。
森保さん:始めたのは26~27歳頃で正直、不安はありました。周りの同世代が社会人としてキャリアを積んでいくなかで、自分たちはこれでいいのかという焦りもありました。クレジットカードの審査にすら落ちて、状況としてはかなりキツかったですね。メンバーのなかには、将来のことをリアルに考えて悩むヤツもいて、いろいろと葛藤はあったみたいです。
それでも現役を退いてセカンドキャリアとしてやると決めた以上、芽が出るまでは続けようと思っていました。ひとりだったら精神的に厳しかったと思いますが、みんなでやると決めて始めたからこそ、踏みとどまれたんだと思います。それに、どこかで「そのうち伸びるんじゃないか」という根拠のない自信や「まあ、なんとかなるか」という楽観的な気持ちもずっとあって。