意志が弱い人には弱い人なりの工夫がある
── 睡眠の次は運動、その次は食事の改善という順で取り組まれたそうですね。
のんさん:運動はひとりだとサボってしまうので、友達とオンライン通話をしながら毎晩数分だけストレッチする約束をしてもらいました。最初は2分から始めて、だんだんと時間を増やして、慣れたら筋トレなどを追加してステップアップしました。
食事はカロリーを1日の適正値に抑えることを意識し、それができるようになったら次は栄養バランスを考えるという段階を踏みましたね。

── ダイエットを継続するのにはモチベーションも大事だと思います。なにか工夫はしていましたか?
のんさん:本を読んで知ったのですが、モチベーションってゼロからは生まれず、ほんの少しでも行動することで生まれるものらしくて。その一歩を踏み出すために「スモールステップ」という小さな仕掛けを作るのが大切なんだそうです。
それで、ヨガマットを部屋に敷きっぱなしにしてすぐにストレッチできるようにしたり、YouTubeのエクササイズ動画のURLを抜き出してデスクトップに貼ってアクセスできるように環境を整えました。仕組み化を進めたおかげで、「今日もやろう」という気持ちに自然となれました。
── 少しずつ改善を重ね110キロから49キロ減量し、61キロになったのんさん。生活が大きく変化したと思います。
のんさん:血圧も正常値になりましたし、外出しても人の目が気にならなくなりました。「頑張ったね」って自分を褒めてあげたいんですが、今も本当に意志が弱いんですよ。気を抜けばリバウンドしてしまうし、スマホを触って時間が溶けてしまうときもあります。
ダイエットの成功例を見ると「これだけやせたのは、この人の意志が強いからだ。自分にはできない」と考えてしまいますが、成功した人みんながみんな意志が強いわけではないんですよね。意志が弱い人には弱い人なりの工夫があるんです。それが私にとっては習慣化でした。
SNSには「乱れていた生活が普通の生活になっただけじゃん。何がすごいの?」というメッセージが届くことがたまにあります。おっしゃる通り、まともな生活ができていない人間だったので耳が痛いです。でも「引きこもっていたのんさんがここまで頑張った姿に励まされる」と言ってくださる方もいらっしゃるので、SNSでの発信によって私の経験が誰かの役に立ったらいいなと思っています。
取材・文:阿部祐子 写真:のん