親は心配せず過度な干渉をしないことが大切

── 目指していた介護業界に!これまで発達障害と歩み、どんな思いをお持ちですか?

 

拓人さん:正直なところ、できないことは山ほどあるので、できることを寄せ集めて生きてきた感触です。

 

祐子さん:発達障害を持つ4人の子どもたち全員に、「できないことをできるようにしよう」とは強制してきませんでした。社会は「それぞれのできること」で成り立っているので、できる人ができることをやればいいと思っています。

 

発達障害の子どもを育てる親は、子どもの将来や自立を考えて不安になりがちです。自立を念頭に置くと、「自分で考える力」をつけるのがいちばんだと私は信じています。我が家では幼少期から本人に大小のさまざまな意思決定においてメリット・デメリットを説明し、「あなたはどう思う?どうしたい?」と、本人の意見を聞いてきました。長男・次男の通級指導教室にしても進路にしても、親が情報提供しましたが、最終的には本人が決めました。

 

堀内拓人
憧れの福祉業界への就職を決めた、大学卒業前後の拓人さん

── 子ども自身に決めさせる大切さは、わかっていても難しいときもあります。祐子さんは「子どもが自分から動く子育て」を提唱する本を書かれましたが、子どもとの距離感をどのように考えていますか?

 

祐子さん:子どもの人生は子どものものです。親も子どもも別の道を歩んでいるので、最後に責任をとるのは本人です。もちろん、困ったときは助け合うし、応援も情報提供もしますが、過度な干渉は邪魔になります。発達障害の子に限らず、本人のできること・やりたいことを尊重し、親が邪魔をしなければ、子どもは自分の力でどんどん成長していきます。

 

取材・文:岡本聡子 写真:堀内祐子、堀内拓人