お母さんは「ヒールレスラー」両立は大変だけど

ミス・モンゴル
リング上で激しい戦いを繰り広げるミス・モンゴルさん

── 地方で試合があるときは、お子さんと一緒に行かれるそうですね。

 

ミス・モンゴルさん:そうなんです。赤ちゃんの頃は、むしろ連れて行きやすかったです。学校もないですし、新幹線でも飛行機でもあまり泣かない子だったので。とはいえ、赤ちゃん連れだとどうしても荷物が多くなるので、大阪ぐらいまでなら自分の車で行っていました。私もラクだし、娘もよく眠っていました。

 

夜通し運転して、着いたら試合に出て、さすがにその日はホテルに1泊して帰ってくる。今思うとよくやっていましたよね。今はもうできないです(笑)。試合中は、子どもがいるパパレスラーが赤ちゃんを見てくれたりして。周りにもすごく助けられました。

 

小さいころは平日の試合にも一緒に行っていましたが、小学生になってからは、土日の試合について来る生活になりました。金曜の最終便で札幌へ行って、日曜に試合をして最終便で帰る。なかなかハードですけど、娘も旅慣れしていて、試合会場でしか会えないレスラーの子どもと一緒に遊べるのを楽しみにしているみたいです。

 

試合後のグッズ売り場では、娘が売り子をしてくれるんですよ。私はヒール役だからお客さんが近寄りにくいんですけど、娘が「いらっしゃいませ~!」って呼び込みをしてくれて。ただ顔出しはしていないので、写真を撮られる可能性がある売り場に立つときだけは自分でサングラスをサッとかけていました(笑)。頼もしいですね。

 

──「お母さん」と「ヒールレスラー」の切り替えは大変ではないですか。

 

ミス・モンゴルさん:大変といえば大変ですけど、「これも今しかない時間なんだ」と思うようにしています。

 

試合前に、控え室でメイクをしている時は完全に「戦闘モード」なので、「お母さん〜」って話しかけられても「今はダメ!」って言うことはありますが(笑)。気持ちを切り替えながら頑張っています。

 

試合が終わって娘と一緒に家に帰って、急いで夕ごはんを食べさせてお風呂に入って、シンクの洗い物を片づけていると、「今日も一日、身を粉にしたな」と、しみじみ思うことがあります。でも、子どもはいつかは親について来てくれなくなりますよね。だから今、一緒に遠征したり、「お母さん、お母さん」って言ってくれたりするかけがえのない瞬間を大事にしたいです。

 

取材・文:林優子 写真:ミス・モンゴル