本当はやりたくなかったコスプレが強みに
──『ABEMA Prime』では、プロポーションを生かしたセーラームーンのコスプレなど、気象予報士とは思えぬパフォーマンスが話題になっていました。体を張った演出もあったようですが、抵抗はありませんでしたか?

穂川さん:もちろん抵抗はありましたよ。私が想定していたお天気キャスター像とは 180度以上かけ離れていたので、いつも「これでいいんだろうか」と自問自答していました。でも、最初に声をかけていただいたTOKYO MXのお仕事の内容として、「コスプレをしてお天気を伝える」というのが条件だったんです。
コスプレを見たい人たちと、ニュースを知りたい人たちってそもそも層が違います。だから逆ににいうと、天気に興味がない人たちにも、コスプレ姿なら「なんだこれ?」って気にしてもらえる。コスプレきっかけで天気や防災情報に触れてもらえるなら、大きな意味があるよなって次第に思えるようになりました。結局、このコスプレ姿を見た方々が「この気象予報士は面白い」と、他のお仕事にも繋がっていくことに。
── 与えられた環境に葛藤しながらも、役割を受け入れて前向きに取り組んだ結果、「コスプレ気象予報士」が穂川さんの武器、代名詞にまでなったんですね。
穂川さん:挫折したモデル時代や会社員時代も含め、すべての経験がいまに繋がっていたら嬉しいですね。過去の経験の積み重ねが生んだアプローチ方法だとしたら、存在意義があります。たとえば防災のことって、自分ごと化できない状況だと、興味を持つのが難しいと思うのですが、「コスプレ気象予報士」の立場でわかりやすく説明すれば、これまで情報取得に積極的ではなかった方々にも、興味喚起ができるかもしれません。
キャリアに行き詰まった当時は「自分がやってきたことに意味があったのか」と思い悩んだこともありました。でも、目の前のことに懸命に取り組めば、その先、どこかで道はつながっている。当時の自分に、そう教えてあげたいですね。
取材・文:池守りぜね 写真:穂川果音