モデルから会社員になり「歪曲した思考がリセットできた」

── モデルの世界を中心に活動するのと、一般企業で会社員として働くのでは、生活は180度変わったでしょうね。

 

穂川さん:そうですね。まず、毎日満員電車で通勤し、夜に帰宅するという、規則正しい「ルーティン生活」にガラリと変わりました。モデル時代は起きる時間もロケやスタジオといった仕事場所も毎日バラバラ。しかも仕事や体型管理のプレッシャーで常に心が張り詰めていたので、決まった生活リズムになったときは、ある意味ですごくホッとしたのを覚えています。

 

とは言っても、朝の満員電車は本当に過酷で…!「毎日こうして通勤している皆さん、本当にすごすぎる!」と心から尊敬しました。

 

── 環境の変化とともに考え方なども変わったと感じましたか?

 

穂川さん:はい。いちばん変わったのは、マインドと体型です。モデル時代は体型管理が最優先で、人づき合いよりもジムの時間を優先するほどストイックに過ごしていました。でも会社員になってからは、食事制限よりも同僚や友人との楽しい時間を優先するように。そうしたら、なんと一気に10キロ太ってしまったんです!「人間ってこんなに簡単に太れるんだ!?」と自分でもびっくりしました。

 

さすがに10キロ太ったときは焦って健康的な体型に戻す努力もしましたが、あの変化があったからこそ、今の外見の数字に振り回されない身体づくりに繋がったと思います。

 

気象予報士の資格取得の勉強漬けだったとはいえ、一般企業でごく普通の会社員として生活したことで、「自分の体型を極限まで細くしなければ」という歪曲した思考がリセットされたのは大きかったです。痩せることにしか関心がなく孤独だった私が、周囲の人と交流することの楽しさを知れたのは、一般企業で働いたおかげです。振り返ると、モデルの世界にいた頃より視野が広がったし、自分の可能性を前向きにとらえるきっかけとなった期間だったと思います。

 

取材・文:池守りぜね 写真:穂川果音