「彼女」から「妻」へ。抱いた子どもへの葛藤
── おふたりは2020年に入籍、そして22年に結婚式を挙げました。「彼女」から「妻」になって何か変化したことはありましたか。
早川さん:結婚を機に変わったことはあまりないかもしれません。ただ、闘病中には家族じゃないことを本気で悩んだこともありましたし、私自身も「家族ではないから」と、どこか遠慮してよく自己嫌悪に陥っていたので、これまでの悩みに答えがでたような、晴れやかな気持ちになれました。
それに、付き合っているときはキラキラしたところというか、相手のいいところしか見えないような時期もあったんです。それが、闘病を経て、強いところも弱いところも見えてきました。だからこそ、結婚後は人間としてお互いに理解しあえる関係が築けていると思いますね。
── お子さんについてはどのように考えていたんですか。
早川さん:実は入籍した後もしばらくは子どもについて話すことはありませんでした。もちろん、子どもが欲しいという思いはずっと持っていたんですが、プロサッカー選手として復帰しようとしている彼に押しつけることはできないなと考えていたからです。
それに、白血病の診断を受けたときに、主人から、将来は子どもができない可能性があると医師から説明されたこと、そして可能性を残すために、精子凍結を進められたことを、涙ながら打ち明けられたことがあって。子どもを作ろうと思っても、彼にはできない可能性があったんです。
そうなると主人は「自分に非がある」と自分を責めるかもしれないという思いもありました。だからなかなか話を切り出すことができなかったんです。それにもう少しふたりでゆっくりと過ごす時間があってもいいのかな、と。
── そういった葛藤がありながらも不妊治療を始めることに。何かきっかけがあったのでしょうか。
早川さん:白血病の治療をする前に主人は精子凍結をしていて、毎年保管の更新をするために病院へ行っていました。更新日を間近にした21年の年明けだったと思いますが、「更新に行ってくるね」という話になったとき、今なら話せるかもしれないと意を決して切り出してみたんです。そのときに彼も(不妊治療に)前向きに向き合ってくれて。22年の結婚式が終わって不妊治療を始めることにしました。