高齢者の「免許返納」正論だけでは角が立つから 

── 旦那さんとは免許返納に対してスムーズに話が進んだようですが、人によってはプライドが傷つくとか、素直に受け入れられない人もいるかと思います。もし、旦那さんが免許返納に気が進まなかったとしたら、綾菜さんだったらどう説明をしたと思いますか?

 

綾菜さん:家族が正論で説得しても、言われたほうは嫌がると思うんですよ。「まだ大丈夫」って。

 

私だったら高齢ドライバーのニュースや動画を調べて一緒に見ます。「ちーたん、ちょっと来て」と声をかけて、事故の危険性とか専門家の意見を知るきっかけを作るんです。すると、「やっぱり怖いな。自分も判断能力が鈍っているかもな」と、高齢者の運転リスクを自分ごととして捉えられるようになり、「じゃあ返納するか」と。私が直接言うよりも、そのほうが効果的だと思うんですよね。

 

免許返納に関しては、居住地域によっては代替の移動手段がないなど、他にも現実的な課題はあります。でも、事故を少しでも防ぐためにも、自分が伝えられることは伝えていけたら、と思っています。

 

取材・文:松永怜 写真:加藤綾菜