コンプレックスとは、100%全力では向き合わない

── 身体的なこと以外にも、コンプレックスが強みに変わった経験はありますか?

 

村重さん:私は父が日本人で母がロシア人のミックスルーツなのですが、アイドル時代は、純粋な日本人ばかりの子たちばかりだったので、ルーツのことはなんとなく隠していました。地毛が茶色いことも、アイドルのイメージとは違うと思っていましたし。

 

でも卒業して初めて「アイドル」という枠から外れたときに、ミックスルーツの方がいろんなところで活躍されていると気づいたんです。「そっか、隠さなくていいんだ!」って実感しました。あのころの思い込みはなんだったんだろう、というくらい、今は何も隠さなくなりましたね。

 

── コンプレックスに悩んできたひとりの女性として、同じように悩む人に声をかけるとしたら何と言いたいですか?

 

村重さん:コンプレックスと100%全力で向き合うことは、お勧めしない!です。たとえば私自身、骨格が細い子には一生勝てないと思っていますし。諦めることだって上手な乗り越え方のひとつだと思うんですよ。でも、違うところで戦える別の何かを見つけられるようになったら、きっともっとポジティブになれるんじゃないかなとは思います。

 

骨格ナチュラルに憧れている骨格ストレートの私ですが、骨格なんて変えられないじゃないですか。だったら、骨格ストレートで頂点を取るしかない、みたいな(笑)。

 

── たしかにそうですね。そんなふうに考えられる村重さんは強メンタルタイプ…?

 

村重さん:いや、そんなことはないですよ。ちゃんと落ち込みますし、「なんで私だけ…」ってネガティブ思考になる瞬間もたくさんあります。でも、切り替える力は誰にも負けないかもしれませんね。落ち込むけど、忘れるスピードも早いというか。

 

アイドル時代に、立ち止まれるだけ立ち止まった気がするんです。だから、立ち止まっているよりも、なんとなくでも歩き続けていたほうが、早く解決するんじゃないかな。アイドル時代から今までの経験を振り返ると、それは間違いないと思いますね。

 

取材・文:松崎愛香 写真:村重杏奈