芸歴20年目で「芸人辞めよう」と思った途端に

── 解散後、ピン芸人となってからの仕事はどうでしたか?近年はドラマや映画の出演も続いています。

 

オラキオさん:それが、結果論にはなりますけど、ひとりになってからのほうが芝居などの仕事が増えたんです。解散前はコンビ活動に影響が出るような長期の仕事はあまり入れられなかったのですが、もう誰にも迷惑かけることもないので仕事の幅が広がったんだと思います。ただ、芸歴20年を迎えた頃、自分の芸人としての限界を思い知るような出来事がありました。

 

── どんな出来事だったのでしょうか?

 

オラキオさん:人気バラエティ番組「さんまの向上委員会」で、初めて明石家さんまさんと共演したんです。他の出演者も今田耕司さん、堀内 健さん、土田晃之さん、クロちゃんさんと強者ぞろい。皆さんの圧倒的なお笑いスキルを目の当たりにして「お笑いでこの先輩たちと戦っていくのは無理だな…」と実感し、芸人辞めようかとまで考えました。

 

でもせっかく20年以上やってきたし、芸能界には居続けたい。だったら、笑いの天才の皆さんと違うジャンルでも勝負してかないといけないから、芝居をもっと頑張ろうと。不思議なもので、そう決めてから役者の仕事が増えましたが、お笑いのオファーがなくなることはなかったですし、昨年はついに地元の佐賀で念願の冠番組「オラキオスポーツ」(サガテレビ)を持つことができたんです。

 

── 芸人を諦めかけたのが結果的にいい方向に転じたのですね。

 

オラキオさん:それまでは「芸人として爪痕残そう」「人よりおもしろくなくちゃいけない」と気合が入りすぎていたんでしょうね。肩の力が抜けたのがよかったのかもしれません。僕レベルの芸人が地元で冠番組持たせてもらうなんて無理だと思っていたし、目標ですらなく夢でしたから。今年49歳になる僕ですが、体操やサッカーやバスケットボール、いろんなスポーツに挑戦して体張ってやってます!

 

── お笑いと俳優業、どんなバランスでやっていくのが理想ですか?


    
オラキオさん:
芸人としては、オファーをいただけるものに関しては精一杯務めるのみ。俳優としては、名バイプレイヤーと呼ばれるような役者になりたいですね。連続ドラマや映画を観ると、何かしらに出てるよね、というような立ち位置です。まだまだお笑い芸人としてのオラキオのほうが知られていると思うので、そこに役者のオラキオが追いつくのが芸能界での到達地点かもしれないです。

 

取材・文:富田夏子 写真:オラキオ