介護職は大変?現場で感じた若者の課題

── 実際に研修を受けてみてどうでしたか?
オラキオさん:まず初任者研修を受けてから、1年ほどかけて実務者研修を修了したんですけど、「介護とお笑いって意外と相性がいい」と気がついたんです。芸人は声が大きくてハキハキ話すから高齢者の方が聞き取りやすいですし、会話を盛り上げるのに慣れています。認知症などで何度も同じことを言う高齢者の方にも、その都度フレッシュなリアクションを取っていたので、すごく喜ばれました。漫才にせよコントにせよ、何度、同じネタをやっても初めてのように驚き、ツッコむのが芸人ですからね。
── その後、介護業界の職員定着支援を目指した活動をされるようになったそうですね。
オラキオさん:僕の本業は芸人だから、毎日、介護の現場に入れるわけではない。でも、芸人という立場を生かしてライフワークとなるような福祉活動に取り組めないか、という気持ちがだんだん芽生えてきて。介護人材の定着支援サービス「kaigo FIKA(カイゴ フィーカ)」で、若手介護職員のメンタルケアや相談に応じる活動を始めました。
FIKAはスウェーデン語でコーヒーブレイクのこと。介護職は想像以上にやることが多くてコミュニケーション不足になりがちだから、定期的にお茶でも飲みながら雑談する時間を設けて職場環境をよくしていこうという狙いがあります。
── 世間的に、やはり介護職は大変で、離職率が高いイメージがあります。
オラキオさん:介護って排泄物の処理や認知症の方の対応が大変というイメージがあると思うんですけど、実際にはそれが大変と言っている介護士は少なくて。どちらかというと夜勤があって友達や恋人と遊ぶタイミングが合わないとか、人間関係とか、そういうことで悩んでいる若者の方が多いんです。
若手介護職員の集まりに芸人の僕が入ることで、コミュニケーションが円滑に進み、もう少しこの仕事続けよう、と思ってもらえたら嬉しいですね。ただ、僕自身は常に施設で働いているわけでもなく、圧倒的に介護現場での経験が少ないので、そんな僕でも役に立つのかな?というコンプレックスや葛藤は常に抱えています。